気分はもう文豪 養生館(東郷温泉)に明治の露天風呂 日本画の巨匠の絵から再現

明治から昭和にかけて活躍した日本画の巨匠、菅楯彦(倉吉市名誉市民)の絵から忠実に再現した明治時代の露天風呂が、明治17年創業の東郷温泉「湖泉閣・養生館」(東伯郡湯梨浜町引地)によみがえった。

 養生館は古くは小泉八雲や幸田露伴、志賀直哉など多くの文豪に愛された老舗旅館。しかし、コロナ禍で客足が遠のき、相談を受けた町出身の建築家、松岡哲也さん(東京都小金井市)が倉吉博物館で見つけたのが、菅楯彦が残した百年以上前の「伯州旅行記」(明治29年)の絵。

菅楯彦の作品「伯州旅行記」(明治29年)=倉吉博物館所蔵=から忠実に再現

そこには明治時代の温泉客が養生館の露天風呂で入浴を楽しむ風景が描かれていた。「木風呂の隣には板間。湯に浸かっては板間で休み、ゆったりと東郷池の絶景を楽しんだのでしょう」と松岡さん。

完成した露天風呂と松岡さん。木風呂と板間を仕切る竹の結界など、絵を忠実に再現

建物と東郷池の間には湯を張った水盤を配置して池の風景との一体感を演出するなど、現代風の味付けも。 露天風呂施設は予約制、日帰り利用も考えている。ここに入れば、気分はもう文豪。「古くて新しい露天風呂」、あなたもぜひ体験してみては。

東郷池側の壁は全面開放、絶景が見渡せる