県動物愛護センター「アミティエ」に子ども図書館

倉吉市下福田にある鳥取県動物愛護センター「人と動物の未来センター〝アミティエ〟」で、子ども図書館の開設と、センターを運営する公益財団法人「動物臨床医学研究所」の山根義久理事長(79歳)が少年時代に愛犬との絆で獣医を目指すまでを描いた児童書の出版を祝う会が先月24日、平井伸治県知事らが出席して開かれました。

広大なドッグランで開かれた祝う会。後方のアミティエ新館に子ども図書館がある


 山根理事長は東京農工大名誉教授で前日本獣医師会長。東日本震災で保護された福島県の犬や猫を救うため10年前に「アミティエ」を建設、翌年、鳥取県内の犬・猫の殺処分ゼロを目指そうと、県と連携し、保健所に収容された犬や猫を同施設に引き取って譲渡先を探す役割を担ってきました。

子ども図書館と、出版された本を手にする山根理事長


 「獣医師の出発点は、少年時代の飼い犬とのふれあい」という山根理事長は昨年、貧しかった終戦直後の思い出を「ある小さな村の出来事~ヨッチャン奮闘記」にまとめて自費出版。これが東京の出版社の目に留まり、児童文学作家、今西乃(のり)子さんの手で児童書「昭和の犬ジョンとの約束―少年が獣医師になると決めたあの日」(合同出版)になりました。

 山根理事長は「子どもたちにとって、本との出会いも一生の宝」と、出版を機に施設内に子ども図書館を開設。祝う会では「人との信頼関係が失われつつある現代、ここを信頼と思いやりが育める拠点にしたい」と夢を語りました。これに応えて平井知事も「将来ここから獣医師やペットを守る〝第二のヨッチャン〟が次々生まれて欲しい」と期待を述べました。