梨の生産の魅力を語る・北栄町「生橋農園」

梅雨が明けましたね!

少し前に梨農家さんの取材をしてきました。今日はその梨事情をレポートします。

今回ご紹介するのは鳥取の梨ですが、鳥取の梨の名産地は東郷とか岩美などがよく知られているところだと思います。私は鳥取県中部の生まれですので、梨と言えば東郷(現在の湯梨浜町)が梨の産地だと思っています。

しかし、鳥取の梨の名産地は東郷だけではなかったのです。今回は北栄町にある梨農園に伺いました。そう、この取材は私にとっては、始めから「わからない」からスタートしたのです。

だって北栄町に梨が栽培されているなんて、知らなかった。北栄と言えば、すいか、ぶどう、ながいも、らっきょうでしょう。梨があるはずがない、と思い込みの激しい私は、取材前から北栄町に梨園があるかどうか自体が不安で不安で仕方なかったのです。

当日は待ち合わせした場所、鳥取県園芸試験場へ。ここでも、私はまだ梨園があるなんて信じられなくて、そうか、園芸試験場の一角に栽培されているのかなあ、と思いながら向かったのでした。

待ち合わせして、「ついて来てな。」と言われ車の後をついていきました。すると待ち合わせ場所から車でわりと近くの場所に。これまた私は意外でした。なぜなら全然山の中ではない。私の勝手な想像力は、梨は山の急傾斜地にあるというイメージを覆される場所だったからです。

平坦な土地に並ぶ梨の木

「ここが農園です」と言われて農園を見せていただくと低木の梨がたくさんありました。ここで、改めて北栄で梨作っているんだ、と実感。

さて、やっとここからが本題です。この北栄の農園は「生橋農園」さんで、北栄町にある梨農園。平成4年から生産を始められおおよそ30年。現在80アールをご夫婦で営農中。

80アールといえども、そこにはなんと11種類の梨が生産されています(ハウスもの含む)。JAはじめ、道の駅、個人注文やふるさと納税でも販売されています。11種類の梨の中でも、今の一押しは新甘泉。新甘泉は鳥取県だけの品種で他では生産されていないものです。味はみなさんもご存じだとは思いますが、甘くてみずみずしい。そして20世紀より早く出荷されるので秋を先取りできる梨ですね。

梨の実(摘果前)

「生橋農園」さんでは11種類の梨を生産されていますが、それには梨の木に秘密がありました。梨の木は1本の木に何種類かの木を接ぎ木して梨を育てることができるからなのです。1本の木に2種類ほどの接ぎ木ができ、生産されています。ですから、11月中旬くらいまで、みなさんに梨の提供が可能となるのです。梨って秋だけのものではなく5カ月程度のロングラン出荷がされているということなのです。

生橋さんが今一番思っていらっしゃることは、梨の魅力。それは梨の味ではなく、梨の生産の魅力。

この北栄地区では以前は200ヘクタールの梨畑があったが今では4ヘクタールのみ。梨の販売方法は多岐にわたり、生産した梨の反響はストレートに返ってくる。そして、とても販売しやすい製品であるにも関わらず、梨を作る人が減ってきていることを残念がられていました。梨の生産が減ると梨を食べてもらう人も必然的に減ってくるわけであり、梨の良さも伝わらなくなってきます。されに、生橋さんは、きっぱりと、こんな2人だけで生産が可能で、自由な時間もある仕事は魅力的。スイカよりも売り上げはある。

うーむ、なにからなにまで意外なお話。さらに、冬場は台湾に穂木を出荷されているそう。1年中仕事はあるということでした。そのお顔はとても、たのしそうでした。まだまだ、青い実を見ながら、こんな梨づくりが大好きな生産者(一言消費者に伝えたいことはなんでかと聞いたら、梨の宣伝せずに、梨の就農者が増えて欲しいって…)の梨ってどんな味だろう。食べてみたいなと思いながら帰りました。

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