倉吉市など鳥取県中部が甚大な被害を受けた「鳥取中部地震」から6年。コロナ禍を乗り越え、今年は10月22日夕に成徳小学校前ポケットパークで前夜祭、23日に打吹回廊を主会場に福高祭が開かれ、多くの市民、関係者が参加して地域の福高(復興)目指して決意を新たにしました。
【22日・前夜祭にスペシャルゲスト!】
前夜祭には東京からスペシャルなゲストが駆け付けました。放映が終了したばかりのNHK朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」の脚本家、羽原大介さん。実は倉吉市出身で、今年150周年を迎える成徳小学校の卒業生。前夜祭では、羽原さんの脚本で日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた映画『フラガール』(2006年)にちなんで、地元のフラダンスチーム『Hui Hula Linolino(フイフラリノリノ)』が踊りを披露。前夜祭を盛り上げました。
羽原さんは「12歳まで過ごした倉吉。『ちむどんどん』は沖縄だけでなくそれぞれの故郷のことを思い出してくれるドラマを目指しました。私も脚本を書いている間、倉吉での子供時代が頭に浮かびました」と挨拶。母校壁面の打吹天女モザイク壁画の点灯式にも、広田一恭市長らとスイッチを押しました。
この後、成徳小学区の白壁土蔵群や市街地を歩く「ちむどんどんウオーク」が元気よく出発。羽原さんも参加者と一緒に歩きました。
ナイトウオークとあって、竹灯りによる市街地のライトアップ、土蔵の白壁に倉吉の観光名所をPRする動画が映写されるなど、さまざまな楽しい仕掛け。また参加者には、沖縄のお菓子「サーターアンダギー」のプレゼントも。
【23日、福高祭の本番。街は〝アート〟でいっぱい!】
コロナ禍を乗り越えて、ようやく開催できた福高祭。ことしのテーマは2025年に倉吉市にオープンする県立美術館にちなんで、「アートの屋外美術館」
歩行者天国になる倉吉銀座通りの商店街を〝みんなが集まる屋外美術館〟に見立てて、さまざまなアート・イベントが繰り広げられました。
まずはビニール袋にさまざまな色の水を入れるアート・イベント。なんに使うのかな、と思っていたら、なんと平井知事が挨拶している背後にキラキラ宝石のように輝くデコレーションに。平井知事も「この労苦年(6年)大変な日々でしたが、美術館完成までアート(あと)2年です」と得意のダジャレが絶好調。
た、倉吉博物館の伊藤泉美学芸員らが解説しながら、市内の「緑の彫刻賞」の受賞作品を巡るツアーも好評。こんな大家の彫刻作品があったとは!
東京スカイツリーをデザインした澄川喜一元東京藝大学長の作品をはじめ、実は倉吉市の「緑の彫刻プロムナード」沿道は、日本を代表する彫刻界の大家、新鋭の作品だらけ。さながら街全体が野外彫刻美術館のよう。参加者一同、芸術に触れて感動の嵐。
中部の首長たち、大活躍。
この日、倉吉未来中心を発着点に開催される初のサイクルイベント「第1回グランフロント倉吉」(藤井政至代表)をアピールしようと、広田倉吉市長や松浦三朝町長ら県中部の首長らが「サイクリスト姿」で登場、「自転車で地域を盛り上げよう」とアピール。
一方、歩行者天国は屋台が大人気。「ウクライナ・ハンガリー料理」には長蛇の列。
そうこうしているうちに、「福の神に会えるスタンプラリー」の開始です。
ハロウィンのコスプレで完歩を目指す参加者ら。市内打吹・白壁土蔵群の施設や店舗を8カ所巡るスタンプラリーです。
忘れちゃいけません、踊り子連の晴れ舞台。沿道から盛んな手拍子。
【復興祭セレモニーが始まりました】
「ようやく間近にお会いできましたね」。コロナ禍でなかなか〝リアル対談〟ができなかった倉吉銀座商店街振興組合の小林健治理事長と岡山県の倉敷商店街振興連盟の野嶋雅弘会長が対談。「今後は〝美術館つながり〟で互いに連携を強めましょう」と意気投合。
平井知事「今年5月に沖縄県で行われた復帰50周年記念式典でさっそく羽原さんの『ちむどんどん』を使わさせていただきましたよ。ついでに沖縄の歌まで歌って…(笑)」 羽原さん「そうですか。ありがとうございます。ふるさとでこんなに歓迎されるとは感激です。何か鳥取県にお手伝いできることがあれば…」 平井知事「では、ぜひ鳥取県のアドバイザリーボード(諮問委員会)に入っていただきたい。どうですか、皆さん? 満場一致で決まりですね」 羽原さん「了解しました!」