だれもが笑顔になれる未来へ
2000人が参加「日本女性会議2022in鳥取くらよし」

全国に広がれ、女性のパワー。10月28、29、30日の3日間、倉吉未来中心(倉吉市上灘町)を主会場に市内各地で「日本女性会議2022in鳥取くらよし」が開催されました。全国から訪れた人やスタッフ、ボランティア合わせて約2000人が参加。コロナ禍や台風災害などで実際に集まるリアル大会は4年ぶり、県内でも2000人規模の集会はコロナ感染拡大以降では初めてです。男女共同参画やSDGsの実りある社会を目指し、「Smile in くらよし~だれもが共に笑顔になれる夢ある未来~」をテーマに開かれた大会の模様をお伝えします。

【28日・市内各地で分科会、高校生らも活発に提案】

11時の受付開始とともに、県内外からバスや汽車で女性グループが次々到着。案内役も大忙し

 分科会はそのほか、健康で幸せな暮らしづくり、女性の仕事と家庭、災害時の弱者支援、障がい者との共生社会、最近注目の「アバター」によるコミュニケーションづくり、ジェンダーを超えたクッキング教室などなど、さまざまなテーマで交流と話し合いが行われました。

 分科会は屋内とは限りません。関金の「日本一美しい廃線」旧国鉄倉吉線跡地で開かれたのはウエルネスウオーキング。50人余りが心と身体を共に癒すウエルネス理論によるウオーキングを体験したあと、地域資源を活用した「竹灯籠づくり」を楽しみました。

未来中心のアトリウムでは地元特産品を販売する物産コーナーも設けられ、観光と物産PRもしっかり。

 分科会終了後はコロナ感染対策を考慮し、市内のホテルセントパレス倉吉、倉吉シティホテル、打吹回廊、関金都市交流センターの4カ所に分かれて交流会で盛り上がりました。

【28日・倉吉未来中心で全体会 広がる対話と笑顔】

2日目のオープニングを飾ったのは、地元の小中学生らでつくる打吹童子ばやしと県立琴の浦港等特別支援学校ダンス部のパフォーマンス。勇壮な太鼓の音色と手話を交えたエネルギッシュなダンスに、会場から盛んな拍手が贈られました。

続いて開会式。大会長の広田一恭倉吉市長、田中響実行委員長が歓迎の挨拶、来賓の平井伸治鳥取県知事、福谷直美倉吉市議会議長が祝辞を述べました。平井知事からは「もうすぐ松葉ガニが解禁、蟹取県にウエルカニ!」とお約束のダジャレも。

左から広田一恭倉吉市長、田中響実行委員長、平井伸治鳥取県知事、福谷直美倉吉市議会議長

続いて、タレントの上地雄輔さんと友人でもある大相撲の秀の山親方(元大関琴奨菊)によるお待ちかねのトークショー。それぞれの生き方、仕事、家族や子育て、未来の夢についてユーモアたっぷりに語り合い、会場は笑いと拍手に包まれました。

 ホールのロビーには、2人のトークショーを記念して、倉吉市在住の似顔絵作家かわにしよしとさんが描いた似顔絵を展示。さすが、よく似ていますね。

お昼のランチタイム。アトリウムの観客席にはお弁当を楽しむ参加者でいっぱい。コロナ禍になって以降、久しく見なかった光景です。

午後のオープニングを盛り上げたのは鳥取市の「しゃんしゃん祭」で活躍する踊り子連「桜道里(オードリー)」。コロナ禍で市内大通りでの踊りは中止、大きな舞台でずっと踊れなかっただけに、ステージでは喜びが弾ける元気いっぱいの踊りを披露。

フィナーレを飾ったのは記念シンポジウム「弱者が弱者のまま尊重される社会とは?」

鳥取大学地域学部でジェンダーについて学ぶ3人の学生が、自分たちの母親の生き方を見つめながら、はたして「強い女」とは、「あなたはひとりでも生きていけそう」と人から言われるのはうれしいことなのか、3人3様、さまざまな角度から意見発表しました。

 進行役は、地元の学校法人藤田学院鳥取看護大・鳥取短大・附属認定こども園理事長の山田修平さん。学生らの意見や質問に対して日本のジェンダー研究の第一人者、上野千鶴子さんがリモートで助言。「女性が社会に対して権利を求めるのは当然の主張なのか、わがままなのか、その境界線は時代が決めます」「がまんすれば、次の世代に差別や苦しみは続きます」「職場でのお茶くみは、昔は当たり前、今ではご法度。でも、それをきちんと言って戦ってきた女性たちの歴史があります」。明解な上野さんの話に、パネリストの学生も会場の女性らも納得と共感。会場は共感の拍手に包まれました。

シンポジウムの余韻も覚めぬまま、大会は閉会式へ。

クロージングダンスは、倉吉市と湯梨浜町の女性フラ・グループ「フイ・フラ・リノリノ」の皆さんですが、おや、真ん中で踊っているのは…?

なんと、実行委員長の田中響さん(鳥取看護大教授)! 「またお会いしましょう」。フラの姿のまま閉会の挨拶をする田中さんに驚きの声と大きな拍手。

 次回開催地は、神代の昔からの歴史を持ち、日本初の女性天皇、持統天皇が藤原京を築いた奈良県橿原市。大会長の広田市長、大月悦子市議(副実行委員長)から、橿原市の女性市議らに倉吉の郷土玩具「はこた人形」とパネルが手渡され、大会をバトンタッチ。

 倉吉未来中心の大ホールは満足感と閉幕を惜しむ声に包まれながら、喜びのフィナーレを迎えました。

 次回開催地の奈良県柏原市に引き継いで、日本女性会議inくらよしは閉幕。

なお3日目の30日は、燕趙園や鳥取砂丘、大山などを訪ねるエクスカーション(観光体験会)が行われ、参加者らは最後まで鳥取県の魅力に触れて帰途に着きました。