日本遺産を歩く晩秋の三朝路 投入堂遥拝所の完成記念&「心のウオーク」「三徳山・三朝温泉ウオーク」に200人参加

 晩秋の山陰には珍しく、朝から青空が広がりました。11月20日に三朝町で行われた「日本遺産を歩く!三徳山・三朝温泉ウオーク」は8㌔と5㌔の2コースに約200人が参加して、紅葉が深まる修験の里・三朝路を歩きました。

前日に完成記念式が行われたばかりの三徳山投入堂の新遥拝所をスタートし、三朝町ふるさと健康むらまで歩く8㌔(三徳山六根清浄コース、定員100名)と、健康むらを発着点に三朝温泉を歩く周辺5㌔(六感治癒コース、定員200名)のコースを歩くウオーク・イベント。コース名は、古来より三徳山への参詣が「六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)」を清め、また三朝温泉の湯治は「六感(観、聴、香、味、触、心)」が癒すという効果があると言われているところから命名されました。

朝から好天に恵まれた分、日陰は厳しい冷え込み。健康むらで開かれた出発式では、完全防寒の姿の参加者が多かったものの、太陽が昇るにつれてポカポカ陽気。絶好のウオーキング日和になりました。

出発式では認定NPO未来の岸田寛昭理事長と同町の松浦弘幸町長が「天気にも恵まれ、古来より健康の源にあふれた三徳山・三朝温泉を堪能して下さい」「歴史遺産のロマンあふれる三朝町にようこそ」とそれぞれ歓迎の挨拶と祝辞を述べました。

「あ、見えた」「すごい所に建っているなあ」。完成したばかりの新遥拝所では双眼鏡が用意され、崖の中腹に「投げ込まれた」ような神秘的なお堂の姿に感動。

投入堂は山岳修験の場・三徳山に1300年前に創建され、急峻な断崖絶壁に建っていることから「日本一危険な国宝」とも呼ばれています。また、850年前には温泉も発見され、参拝前に心身を清める場として三徳山信仰と深くつながっている「三朝温泉」。三徳山・三朝温泉は平成27年度の第1回日本遺産に認定されています。

8㌔のコースだが、ずっと下りの道なので女性や高齢者も歩きやすい。

 コース途中にそびえる三徳山の大鳥居。参詣道の途中にあり、ここまでは昔、三徳山領だった。「聖」と「俗」を分ける境界線。

三朝町片柴では地元の三徳地区協議会の住民や、三朝米を栽培している鳥取大学のボランティア「三徳レンジャー」の学生らが、なめこ汁や三朝米のおにぎり、梨などをサービス。地元の温かいもてなしにも触れられる「癒しの三朝ウオーク」でした。

 また前日の19日には「せっかくウオーク『心のウオーキング』」も開かれ、三徳山の宿坊「皆成院」で清水成眞住職の「心」の講話を耳を傾け、本場の精進料理や座禅、写経などを体験しました。

「心のウオーキング」では、住職手作りのごま豆腐や山の幸が並ぶ精進料理を賞味。