十両昇進「落合関はいかに育ったのか」

両親と幼稚園長が語るその素顔―NPO未来4月例会

 倉吉市出身で、ことし所要1場所で新十両にスピード昇進した落合関=本名・落合哲也、宮城野部屋=はいかに育てられたのか。NPO未来の4月例会が25日、市内のホテルで行われ、落合関が通った認定こども園倉吉幼稚園の日野彰則園長が、父親の落合勝也さんに質問する形式で子ども時代の思い出や強くなるための秘訣などを披露しました。

 4月例会では冒頭、4月に鳥取県中部総合事務所に着任した木本美喜所長が来賓あいさつ。「コロナ禍からようやくアジア便やインバウンド観光が復活する中、いいタイミングでアジアウオーキングフェスティバルという国際交流イベントを地元で企画していただき、盛り上がりが大変楽しみです」と期待の声を寄せました。

 続いて、アジアウオーキングフェスティバルの概要について同部会の岩本善文部会長(倉吉商工会議所専務理事)が、第22回SUN-IN未来ウオークの実施内容について遠藤公章実行委員長がそれぞれ説明しました。

この後、落合勝也さんと日野園長の対談に移りました。落合関は平成15年生まれ。倉吉市立成徳小から鳥取西中、鳥取城北高卒。高校時代は主将として全国総体で団体優勝、2年連続で高校横綱、実業団横綱にも輝き、鳴り物入りで角界入り。ことし2月には地元で落合関倉吉後援会(会長・広田一恭市長)が発足しました。

 勝也さんは「プロの世界は仕切りのタイミングから全然違って、息子も戸惑ったようだが、何とか勝ち抜き、十両昇進を果たすことができました」と振り返り、「小学時代は強いライバルがいてなかなか勝てない時期もあったが、当時、県体育協会にいた逸ノ城さんらに励まされ、相撲を続けました。先場所、その逸ノ城さんや鳥取城北高の主将だった貴健斗さんとの取り組みも実現し、何か運命のようなものを感じました」と語りました。

わが子について語る落合勝也さん
後援会の世話役としても活躍する日野園長。後援会員には書家の山田美鈴さん=独立書人団会員=が揮毫した手ぬぐいがプレゼントされる

 また日野園長が「幼稚園にいた頃から、前向きに頑張る落合君にずっと元気をもらってきましたが、育てる上で一番大切にしてきたことは?」と尋ねると、勝也さんは「子供が主体的に取り組むことが何より大事。自発性を信じて、親はじっと待つことですね」と答えました。

会場からは、客席にいた母親の和美さん(同幼稚園副園長)に「お母さんからの支えは?」とサプライズ質問。和美さんは「私は待つのが苦手な方(笑)。とくにケガが心配で、頭からぶつかるけいこ(ぶちかまし)で内出血して目がうまく開かない息子にハラハラ。でも主人から『本人の前ではそんなこと言うな』と言われて。そこは主人の方針を信じて任せてきました」。

最後にご両親そろって「大阪場所では、会場からの温かい声援に私たちも涙が出そうになりました。土俵にいる息子も『落合、落合』と声をかけられるのがすごくうれしいと話していました。将来の大関、横綱を目指して今後も精進しますので、声援をよろしくお願いします」と市民に感謝の言葉を述べていました。