念願のフルスペック開催にワクワク 「SUN‐IN未来ウオーク」コースの見どころ紹介

今年もこんな素敵なウオーカーたちと出会いたい(昨年の未来ウオーク、主会場の倉吉パークスクエア)

 いよいよ6月3、4日に開催が迫る「第22回SUN-IN未来ウオーク」(2日はアジア・ウォーキング・フェスタin鳥取、5日は三徳山せっかくウオーク)。2020年のコロナ感染拡大以降、単日開催や地域限定参加など、長くつらかった自粛や規制が解け、国内外のたくさんのウオーカーを鳥取県中部に迎える日が近づいています。

 コロナ禍前と同じフルスペックで開催される今大会。初日、2日目のコースとも、名所・史跡・若者の人気スポットなど、見どころがいっぱい。歩きながら気軽に県中部の美しい自然や人々の暮らしに接することのできる全9コースの魅力と見どころを紹介します。

3日【33kmコース】八橋往来・名探偵コナンコース

 海外でも大人気の「名探偵コナン」の作者・青山剛昌先生のふるさと・北栄町や、奈良時代から八橋と倉吉を結んでいた街道「八橋往来」の現存する道を歩く、過去と現代をタイムスリップしたような初日最長のコースです。「コナン」の登場人物のモニュメントの前で記念写真を撮ったり、琴浦町では日本海に向かって立つ世界的彫刻家、流政之氏の石像彫刻「波しぐれ三度笠」を眺めながら、同町の新しい観光名所「鳴り石の浜」を目指します。

「コナン」の魅力いっぱい、青山先生の地元・北栄町のJR由良駅舎

おや、こんな所に『コナン』でおなじみ、平次と和葉が(北栄町)

どこかユーモラスな「波しぐれ三度笠」(琴浦町)

海岸に大きな石がゴロリ。琴浦町の新名所「鳴り石の浜」

3日【20kmコース】伊能忠敬・湯梨浜コース

 倉吉市を流れる天神川沿いを下り、はわい温泉・東郷温泉のある東郷湖畔から途中、江戸時代の測量家、伊能忠敬が訪れた「八橋(やばせ)往来」の現存する道を歩きます。注目のスポットは、鳥取県と中国・河北省の友好交流を記念し、平成7年に造られた国内最大級の中国庭園「燕趙(えんちょう)園」。中国の歴代皇帝が好んだ「皇家園林方式」で、黄色い甍が東郷湖畔に美しく映えます。中華コスプレの撮影スポットとして若者にも人気。

美しい東郷池周辺の景色に疲れも吹き飛びます

中国の庭園形式を再現した燕趙園の門で折り返す

3日【10kmコース】美術館まち歩きコース

 2025年春のオープンに向けて未来ウオーク主会場の倉吉パークスクエア横で建設が進む鳥取県立美術館。そんな建設現場を眺めながら、旧市街地の赤瓦、白壁土蔵群の「まち歩き」や天神川の土手道をマイペースで楽しみます。トリエンナーレの「緑の彫刻賞」を長年開催している倉吉市。市街地や橋などに展示された著名な彫刻家の作品を探して回るのも、このコースの楽しみのひとつです。

東京スカイツリーの造形で知られる澄川喜一氏の作品「To The Sky」

倉吉大橋のたもとにある黒川晃彦作のブロンズ像「帽子を被ったら歩いてみよう」

5月に上棟式が行われ、巨大な外観が姿を現した県立美術館

3日【5kmコース】赤瓦・ひなビタ♪コース

 フィギュアミュージアム(円形劇場)など、サブカルチャーの発信が盛んな倉吉市。なかでも全国のファンたちと町ぐるみで交流しているのが、キャラクター音楽コンテンツ「ひなビタ♪」(コナミデジタルエンターテインメント)。平成28年にひなビタ♪の舞台、倉野川市(架空都市)と倉吉市は姉妹都市提携し、市民が「ひなビタ♪応援団」を結成。街角に主人公の等身大パネルを展示したり、町を訪問するファンとの交流を楽しんでいます。

白壁土蔵群と「ひなビタ♪」の主人公ら
「ひなビタ♪」の主人公らに見送られて、さあスタート(昨年の大会)

ゲストウオーカーとして中部出身の女性デュオ「Paix➋(ぺぺ)」も来ますよ!

4日【35kmコース】日本一美しい国鉄廃線跡コース

 大会でもっとも長丁場のコース。旧市街地の古い町並みを抜け、昭和60年に廃線になった旧国鉄倉吉線の線路跡をたどりながら、中国山地の山ふところに抱かれた関金へ。人気スポットは何といっても「旧倉吉線跡の竹林トンネル」。先日、NHK―BS「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」でも紹介され、その廃線跡の美しさに全国から大きな反響がありました。美しい旧倉吉線跡の竹林トンネル、また、遠く望むことができる蒜山三座や大山の雄大な山々の景色は、長丁場で疲れたウオーカーたちの心と体を癒してくれます。

 小鴨川土手から望む美しい大山の風景

4日【20kmコース】日本遺産三朝温泉コース

 世界有数のラジウム含有量を誇る三朝温泉を巡るコースです。温泉街を流れる三徳川は「コロコロ」と美しい声で鳴くカジカガエルが名物。「かじかの湯」の足湯でのんびり足を休めたり、橋の名前から縁結びスポットとして人気のある恋谷橋では「絵馬」ならぬ「絵カエル」で願かけしたりと、温泉街の風情が満喫できます。

温泉街の風情漂う三朝の町並みを歩く

かじか橋にある足湯「かじかの湯」

「恋谷橋」では縁結びのかじかカエルが熟年夫婦をお出迎え

4日【10kmコース】遥かなまち倉吉コース

 ヨーロッパの人たちにも愛された鳥取県出身の漫画家・故谷口ジローさん。彼が昭和時代の倉吉を舞台に描いた「遥かな町へ」(フランスで映画化)のレトロな世界に浸れるコースです。鳥取商高時代、自転車部の練習でよく倉吉まで走っていた谷口さん。同作品では、写真家の故高木啓太郎さんが撮影した懐かしい倉吉の風景写真をもとに背景が忠実に描かれました。原作本を手に風景と比較しながら歩くと、いっそう心がワクワクしてきますね。

赤い瓦、白壁の土蔵が美しい旧市街地の町並み

江戸時代の豪商のたたずまいが再現された「倉吉淀屋」

4日【5kmコース】倉吉八犬伝コース

 倉吉市の名刹・大岳院に眠る里見忠義公と8人の家臣をモデルに滝沢馬琴が「南総里見八犬伝」を書いて、江戸時代のベストセラーになりました。舞台はさらに現代の倉吉市へ。「倉吉八犬伝」は、イケメンぞろいの「八犬士」が登場するバーチャル観光ツアー。若者に人気が広がっています。同コースでは大岳院の境内、そして最古の円形校舎が最新のサブカルチャー施設になった「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」周辺を歩きます

里見公主従の墓がある大岳院

イケメンの八犬士たちが現代の倉吉によみがえった「倉吉八犬伝」©倉吉八犬伝/倉吉観光MICE協会

日本最古の円形校舎がフィギュアの殿堂に

4日【3kmコース】キッズ(歩育)コース

 打吹山を舞台に、ファミリーで自然体験ゲームをしながら、自然の面白さや不思議を学ぶコースです。他のコースと違い、保護者同伴でキッズの歩くペースを見ながらリーダーが誘導、団体行動します。

キッズ(歩育)コースのかわいい参加者たち(昨年の大会)