全国の焼き鳥の名店が集う「やきとりJAPANフェスティバルin倉吉」が来年秋に鳥取県倉吉市で開かれることになり、9月10日に同市内で実行委員会の設立総会が行われました。今年10月20日には鳥取県中部地震の福高(復興)祭で県内外の名店5店が出店した開催1年前プレイベントも開かれる予定で、関係者は「蟹取県、星取県に続いて、今度は『とり(鳥)とり県』で鳥取県、倉吉市をアピールしたい」と張り切っています。
同イベントは、倉吉商工会議所で分野の異なる業種の企業が交流や情報交換を行っている「倉吉異業種交流プラザ」(森英司会長)が中心となり、市内の焼き鳥屋「ひょうたん」(現在休業中)の上嵜健二店主の熱心な働きかけで、森会長や田村閑美前会長(同市議)らが長く構想を温めてきました。
「はじめは、市内の焼き鳥屋は数軒、〝焼き鳥文化ゼロ〟の倉吉でできるだろうか、と不安だった」と森会長。しかし、よく考えれば「鳥取県は『鳥』がつく全国唯一の県、しかもブロイラー生産は全国7位、『大山どり』『鳥取地どりピヨ』など銘柄鶏も多い」と気づき、昨年8月に山口県長門市で開かれた同フェスティバルを視察、同市の人口(3万2千人)を上回る5万人超のにぎわいに意を強くし、思い切って誘致に踏み切りました(視察のもようは2023年8月28日「鳥取タイムスみらい」で既報)。
設立総会には、同市の広田一恭市長をはじめ県議・市議、倉吉商工会議所、倉吉観光MICE協会などの関係者が出席。計画案では来年9月か10月の2日間、来年オープンする鳥取県立美術館に隣接した大御堂廃寺芝生広場を会場に開かれ、目標来場者は2・5万人~3万人。総会では広田市長を大会長、森氏を実行委員長に選びました。
「やきとりJAPANフェスティバル」は、2007年から「全国やきとりリンピック」として始まりました。一般社団・日本やきとり文化振興協会の会員である全国の焼き鳥店が各地の焼き鳥文化を広く紹介するとともに、地域間交流を図るのが目的。2017年にはイタリア・フィレンツェでも開催され、海外に日本の焼き鳥の味と文化を広くアピールしました。今年の開催地は長野県上田市です。
総会では1年前イベントとして、10月20日に県中部地震復興を記念して打吹回廊(同市明治町)で開かれる「福高祭」で「倉吉やきとりフェス2024」が開催されることが明らかになりました。同イベントには、焼き鳥まる屋(愛媛県今治市)鳥屋玄奥(香川県丸亀市)炭火串焼オレたちの絆(福岡県久留米市)のほか、地元からとり甚(倉吉市)北の大地(鳥取市)が出店する予定です。
大会長の広田市長は「私が県中部事務所長だった時代から『ひょうたん』の店主から猛アプローチがあり、県中部地震の復興に役立たないかと思っていた。市もしっかり応援したい」と抱負。実行委員長に選ばれた森会長は「来年は県立美術館の開館、関西・大阪万国博など人が動く年。焼き鳥で鳥取県、倉吉市をしっかりPRしたい」と〝とりとり県・鳥取〟へ意気込みを語っています。