「日本遺産を歩く!三徳山・三朝温泉ウオーク」(認定NPO法人未来主催、三朝町、三朝温泉観光協会など協力)が28日、三朝町の国宝・三徳山投入堂遥拝所からふるさと健康むらまで約8㌔の「三徳山六根清浄コース」で開かれ、約100人がようやく秋の兆しが見え始めた山岳修験道の里を歩きました。
「六根清浄」のコース名は、古来より三徳山への参詣が六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)を清める効果がある、とされていることから命名。ふるさと健康むらの芝広場で開かれた出発式では、認定NPO法人未来の岸田寛昭理事長と同町観光交流課の藤井紀好課長が「コース途中では地元の方々のがナシやおにぎり、豚汁で温かくおもてなしてくれます」「帰りには三朝温泉の湯で疲れを癒やしてください」と歓迎の挨拶や祝辞を述べました。
参加者は2グループに分かれてバスでスタート地点の投入堂遥拝所へ。深山に位置する遥拝所は時おり雨に見舞われるあいにくの天候でしたが、参加者らは備え付けの望遠鏡をのぞいたり、遠く朝もやに煙るし神秘的な投入堂を背景にみんなで記念写真を撮っていました。
投入堂は山岳修験の場・三徳山に1300年前に創建され、急峻な断崖絶壁にあることから、別名「日本一危険な国宝」。850年前には温泉も発見され、参拝前に心身を清める場として三徳山信仰と深くつながっていることから、三徳山・三朝温泉は平成27年度の第1回日本遺産に認定されています。
深山の霊場から下界の三朝温泉までのコースは、ずっと下りの道。参加者には女性や中高年の夫婦連れの姿が目立ち、次第に晴れ間ものぞいて快調な足取りでゴールを目指しました。
コース途中にそびえる三徳山の大鳥居。参詣道の途中にあり、昔ここから奥が三徳山領だったため「聖」と「俗」を分ける境界線とされています。
コース途中にある三朝町片柴の三徳センター(三徳地区多目的研修会施設)では、地元の三徳地区協議会の女性たちが、地元産のナシや三朝米の新米のおにぎり、豚汁参加者らにをサービス。地元の温かいもてなしに参加者もほっと心がほぐれる「癒やしの三朝ウオーク」になりました。
午後からは三徳山の宿坊「皆成院」で「せっかくウオーク『心のウオーキング』」も開かれ、同院の清水成眞住職の「心」の講話を耳を傾け、本場の精進料理を楽しんだほか、座禅や写経に挑み、文字通り心が洗われる体験に浸りました。