晩秋のグルメ満喫 めぐる・たべる・つかる 歩いた数だけ笑顔が増える 「ONSENガストロノミーウオーキングin倉吉・関金温泉」

 「めぐる」「たべる」「つかる」―魅力あふれる温泉地を舞台に地元の「食」と「自然」、「文化・歴史」を歩きながら丸ごと体感する「ONSENガストロノミーウオーキングin倉吉・関金温泉」(認定NPO法人未来主催、特別協力・ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構、協力・鳥取県、倉吉市など)が11月24日、倉吉市内の赤瓦白壁土蔵群など古い町並みを歩く約7㌔のコースで開かれました。

 イベントには山陽や関西からの県外客を含め167人が参加。スタート時間の午前10時には雨も上がり、参加者は地元の日本酒やワイン、ビールなどのアルコール類や、都会でも大人気の「白バラ牛乳」などで喉を潤しながら、蔵求牛や名物餃子など「倉吉グルメの秋」をたん能しました。

打吹回廊(開会セレモニー・スタート、ハイボール、A&Eとまとゼリー)

 スタート地点の打吹回廊で出発式が行われ、主催者の認定NPO法人未来の岸田寛昭理事長が「きょう午後からは大関・琴櫻の初優勝がかかる一戦。おじいさんは倉吉市出身の昭和の名横綱・琴櫻です。歩いた後はパブリック・ビューイングもありますよ」とステージ上に掲げた琴櫻ののぼり旗を示しながら挨拶。参加者らは地元の「松井酒造」のハイボール、ノンアルコールの参加者は「A&E鳥取県産笑心(えこ)とまとゼリー」で乾杯し、15分間隔で7つのグループに分かれてスタートしました。

出発式のステージに「琴櫻」ののぼり。「楽しみながら歩いて」と挨拶する未来の岸田理事長
松井ウイスキーのスタッフからハイボールを受け取る参加者
出発式では「完歩を目指して、かんぱーい」
最初のグループが打吹回廊を出発

「〝食事の関所〟扇雀」(「令和の怪物」が好物の餃子、マツイビール倉吉)

 スタートすると、朝から早くも「餃子と地ビール」の歓迎! この餃子、倉吉市出身の「令和の怪物」伯桜鵬関=伊勢ケ浜部屋=が子供時代から大好物だった「扇雀の焼き餃子」なんです。伯桜鵬関の今後の活躍を祈って、アツアツの餃子はみんなの胃袋の中へ。

朝から餃子とビール。「うーん、たまりません」

クラカフェ(オリジナルドライカレー、清酒「元帥」、健康酢ドリンク)

 グルメの波状攻撃。クラカフェでは観光客に大人気のオリジナルドライカレー。これを頬張りながら、東郷平八郎ゆかりの清酒「元帥」をぐっと一杯やります。

あたり一面、カレーのよい香り、食欲を刺激します

打吹公園(蔵求牛焼き、清酒「八潮」(中井酒造)、倉吉ワイン)

 打吹公園は紅葉が見ごろ。公園内に設置されたテントでは、関金で肥育されているこだわりの「蔵求牛」を特製スパイスで。また、明治から続く老舗造り酒屋・中井酒造の清酒「八潮」は、同蔵元の中井社長自らがちょうど飲みごろの熱燗に温めて参加者にふるまうなど、心にくいサービス。冷えた身体が肉と熱燗でほっこり。

和牛を肥育している蔵求さんが自ら焼いて提供
こちらは中井酒造の社長自ら参加者に燗酒をサービス

!円形劇場くらよしフィギュアミュージアム

 胃袋は、ちょっとひと休みして、日本最古の元倉吉市立明倫小の円形校舎を活用したフィギュアミュージアムに到着。倉吉市は2014年にフィギュアのトップメーカー㈱グッド・スマイル・カンパニーを工場誘致。さらにもうすぐ市内に第二工場も完成予定で、実は世界最大のフィギュア生産を誇る町なのです。

昭和遺産の円形校舎を活用したフィギュアの殿堂を見学

旧倉吉町水源地ポンプ室(地鶏の焼き物、清酒「鷹勇・強力」、北条ワイン白、マツイビール倉吉)

 昭和初期に建てられた旧倉吉町水源地ポンプ室を、ウオーキング参加者に特別公開。その手前のテントでは、来年9月に倉吉市内で開催される「やきとりJAPAN2025in倉吉」をPRしようと、実行委員会のメンバーらが「地鶏の焼き物」をサービス。これに鷹勇の「強力(ごうりき)、北条ワインの白が合うんです。

「昭和6年」の文字が残るパイプ。まさに「昭和遺産」
地域の歴史や文化を学ぶのもガストロノミーウオークの目的のひとつ
「来年はやきとり・フェスティバルに来てね!」と鶏のコスプレでPRするスタッフ
「焼き鳥にはやっぱこれでしょ。ま、ま、グッと空けて」と地酒をたっぷり注ぐ

豊田家住宅(打吹公園だんご、白バラ牛乳)

 国登録有形文化財で1900年建築、倉吉の伝統的な町屋形式を保持している豊田家住宅。参加者らは格式の高い座敷や美しい中庭を見て回り、しばし「豪商」になった気分。この豊田家住宅の2階では「天下の豪商・淀屋」「里見八賢士」「大江磐代君」「琴櫻物語」など、地元の歴史や出身者を題材にした講談も聴くことができます。店内では倉吉名物、白餡・小豆餡・抹茶餡の三食団子「打吹公園だんご」、さらに大都市圏でもファンの多い大山乳業の「白バラ牛乳・コーヒー牛乳」が参加者を迎えます。

国の有形文化財の町屋に到着
同住宅の美しい中庭や日本建築を見学しながら、しばし休憩
「やっぱり倉吉は打吹団子と福の神」と夫婦そろってこの笑顔

BREW LAB KURAYOSHI(地ビール)

 倉吉ビール直営の「BREW LAB KURAYOSHI」では、出来立ての地ビールを味わえます。サーバーから注がれるビールは絶品のうまさ。マスターの福井社長との会話も弾みます。

「どうですか? お味は?」「ふだん飲むビールと全然違うわ」

!まととや(弓道体験)

 昔の銀行跡を活用したミニ弓道場「まととや」では、国体やインターハイの弓道競技で何度も日本一に輝いた倉吉西高校のOB・OGたちがやさしく指導してくれます。

琴櫻記念館(親ガニ汁、清酒「鷹勇・なかだれ」)

 コースも終盤。倉吉市が生んだ昭和の名横綱・琴櫻(元佐渡ヶ嶽親方、故人)を顕彰した琴櫻記念館の前庭では、山陰名産の親ガニ汁がふるまわれました。清酒「鷹勇」の中でも左党に大人気の「なかだれ」との相性も抜群。

親ガニをぜいたくに使った汁に、ほっこり身体が温まります
「カニ汁、めっちゃ美味いです!」と満面に笑みの女性グループ
「このウオーキング大会、毎回楽しみなの」。スタッフと参加者の会話も弾みます

米澤たい焼き店(白いたい焼き)

 いよいよラストのガストロノミーポイント。たい焼きマニアによると、一度にたくさん焼くのは「養殖たい焼き」、一匹ずつ金型に入れて焼くのは「天然たい焼き」と呼ぶそう。倉吉市の米澤たい焼き店は全国でも数少なくなった「天然たい焼き」の名店。県外からわざわざ訪れるファンもいるほどで、この日も「待ち時間30分以上」という大人気。

名物の「白いたい焼き」は大人も子どもも大好き。今や倉吉の観光スポットのひとつ
薄皮にあんこぎっしり。でも、今日はなんと「待ち時間30分以上」!

打吹回廊(ゴール)

 ついにゴール。心も身体(おなか?)も満ち足りた一日でした。

!お楽しみ(関金温泉「せきがね湯命館」入浴券)

 ゴール後、参加者には、もれなく関金温泉の日帰り温泉施設「せきがね湯命館」の入浴券をプレゼント。一日食べて歩いた疲れを名湯「しろがねの湯」がゆったり癒やしてくれます。

ゆったりくつろげる「せきがね湯命館」