台湾南部の山間を走る阿里山森林鉄路(鉄道)を豊富な写真と文章で紹介する本が12月10日、認定NPO法人未来の岸田寛昭理事長から倉吉市の広田一恭市長に贈られました。同市では市立図書館に置いて多くの市民に見てもらう予定です。
岸田理事長はことし3月に台湾を訪問、阿里山森林鉄路を管理する台湾政府林務局との間で、NPO法人未来の地元で「日本一美しい廃線跡」と呼ばれる旧国鉄倉吉線廃線跡を活用した交流策を提案するなど、相互交流の道を探っています。
阿里山森林鉄路は台風等の災害の影響で2011年から部分運休していましたが、ことし7月に全線開通。岸田理事長は全線開通に合わせて訪問する予定でしたが果たせず、11月に再訪しました。
全線開通に合わせて出版された本の題名は『高低差2421mのやまびこ』。台湾政府によって日本語版も限定出版され、頼清徳総統の手で訪台した日本関係者に配布されました。贈られたのはそのうちの貴重な一冊で、同書の文と写真撮影を担当した林務局阿里山林業鉄路及文化資産管理処の呉明翰さんから、訪台した岸田理事長に贈られました。
呉さんは岸田理事長に「わたしの著書を倉吉市長様にお届けいただき感謝申し上げます。この作品が、日本人によって建設されたこの鉄道の歴史や魅力、阿里山の自然や生態系などを広く知っていただく一助となればうれしい」とメッセージを寄せています。
倉吉市役所を訪れた岸田理事長は広田市長に経過を報告し、本を寄贈。同市では市立図書館に配架し、多くの市民に見てもらうことにしています。