ブリロの箱にちなんだ百花堂の「はこ展」開幕 平井知事らが視察 県美の開館応援企画展 県内3つの百花堂ギャラリーで開催

 鳥取県立美術館(倉吉市駄経寺町2丁目)の30日オープンを前に、同市宮川町の市民ギャラリー「コミュニティプラザ百花堂」で28日、アンディ・ウォーホルの『ブリロの箱』にちなんだ「箱・函・匣・筐・筥ーはこ展」が開幕、29日には平井伸治鳥取県知事も視察に訪れ、絵画、工芸、書、写真などさまざまなジャンルで表現された「はこ」を興味深そうに鑑賞しました。

倉吉百花堂のギャラリーがあるルネックス本店(倉吉市宮川町ロータリー)

 百花堂ギャラリーは、眼鏡と補聴器の専門店㈲ルネックスが鳥取・倉吉・米子各本店に設置、美術関係者や市民による委員会でそれぞれ企画・運営されています。

地元にできる念願の県立美術館にどう向き合い、関わっていくかを考えていた倉吉市の染織家で日展会友の古澤順子さんは、京都市で昨年開かれたアンディ・ウォーホル展で観た実物の『ブリロの箱』に触発され、「はこをモチーフにした県内作家たちの合同企画展を開いたら」というアイデアを思い付き、古澤さんらが東・中・西部の県内作家に一人一人に依頼して回りました。

全国的な話題を呼んだウォーホルの『ブリロの箱』

 県立美術館は建設地の選定をめぐる綱引きで、東・中・西部の美術団代関係者の間にしこりやわだかまりが残りましたが、出品の依頼に「各地区の作家さんに気持ちよく応じていただいた。それが何より」(古澤さん)とうれしい結果に。倉吉会場の「はこ展」は、洋画、日本画、デザイン、染織、工芸、書道、写真などの県内作家29人が出品。4月6日(日)まで開かれます。

さまざまな「はこ」の作品が展示された会場

 29日には平井知事と地元の広田一恭倉吉市長がそろって会場を訪れ、熱心に鑑賞。平井知事は「いろいろなイメージやジャンルの『はこ』が展示され、(百花堂の名前通り)さまざまなアートの花が咲いている」、広田市長も「作家さんたち自身が県美を盛り上げていただいていることに感謝」と1点1点の作品を熱心に眺めていました。

開館記念パレードの前に平井知事や広田市長が会場を訪問
自作の「入れ子の織り箱」を平井知事に説明する古澤さん
知事や市長を囲んで百花堂の委員や出品作家らが記念撮影

 鳥取、米子の百花堂でも推薦、公募など作家選定の方法は異なりますが、開催予定。鳥取百花堂(同市南隈)は5月9日(金)~15日(木)、米子百花堂(同市両三柳)は6月6日(金)~12日(木)にそれぞれ開かれる予定です。