〝歩いて健康寿命を延ばそう〟をテーマにNPO法人未来の4月例会 「ウオーキング立県とっとり」の未来を語り合う 

 「歩いて健康寿命を延ばそう」をテーマにした認定NPO法人未来(岸田寛昭理事長)の4月例会が23日、倉吉市の打吹公園内にある「飛龍閣」で開かれ、行政や地域、企業のそれぞれの場でウオーキングを通じた健康づくりに取り組んでいる3人が「ウオーキング立県とっとり」の未来を語り合いました。

開会の挨拶するNPO未来の岸田理事長

 鳥取県は2009(平成21)年に平井伸治県知事が「ウオーキング立県とっとり」を目指すことを宣言しています。例会では冒頭、岸田理事長が「先日亡くなった私の父親は健康寿命から8年ほどで亡くなった。6月の未来ウオークで掲げている『歩いて健康寿命を延ばそう』という取り組みのトップランナーの方たちに本日はおいでいただいた」と挨拶しました。

コーディネーターを務めた鳥取短大の田中グローカルセンター長

 このあとコーディネーターの田中響鳥取短大グローカルセンター長が「健康寿命は私たちの永遠のテーマ」と切り出し、まず県福祉健康部健康政策課の角田智玲課長が、行政の立場から県の取り組みを話しました。

ポインターを使って説明する県健康政策課の角田課長

 角田課長は「ウオーキング立県の宣言後、ウオーキングアプリ『aruku&(あるくと)』を導入、健康寿命を2029(令和11)年までに1年半以上、2040(令和22)年までに3年以上延ばすため、地域や職域など社会全体で健康づくりを推進する体制を整備しながら、生活習慣病などの早期発見・治療にも力を入れている」と説明。「1日の歩数なや運動者の割合はウオーキング立県の宣言で増えたが、コロナ禍の家ごもりで再び低下している」と述べ、「目標数値ばかり追うのでなく、個人差や現状を考慮した啓発活動が大切と考えている」と締めくくりました。

同社の活動の成果が載った本を紹介する向井総務部長

 続いて倉吉市内の工務店「㈲向井組」の取締役総務部長の向井恵美子さんが、2019(平成31)年から社員や地域の人々に呼びかけて毎月開いている「ウエルネスウオーキング」の取り組みを解説。まずは自分の体調を知り、きちんと準備運動や負荷をかけた歩行をするなど同ウオーキングの基本を紹介し、「城跡や寺社巡りなど歩くテーマを変えて、心身ともにリフレッシュ。マンネリ化しないことが長続きのひけつ」と説明。会社を挙げたウオーキングは現在71回目を数え、6年間で累計1340人が参加した成果を報告しました。

保護者も参加した子どもの「歩育」を語る松田医師

 最後に、倉吉市の小児科医で認定NPO法人未来の副理事長の松田隆医師が「1歩で0.0014円の国民の医療費が助かる」と指摘。「ウオーキングテインメント」(ウオーキングを通した健康、教育、交流、環境、観光の5要素+自分に合った靴を知る教育)に積極的に取り組んで「足元からの健康づくり」を進める大切さを語りました。また県中部では2度目となるノルディック・ポール・ウオーク学会(6月6日)の開催をPR、未来ウオーク(6月7、8日)の主会場(倉吉パークスクエア)に建つイ・ガンオク大韓ウオーキング連盟会長の石碑「自然こそが病院であり、あなたの2本の足がお医者さんです」を紹介し、「みんなで歩いてウエルビーイング(身体的、精神的、社会的すべてが満たされた幸福な状態)を目指しましょう」と呼びかけました。

打吹公園内の「飛龍閣」で開かれたNPO未来4月例会