日本遺産の霊場・三徳山で「せっかくウオーク」 はるばる新潟や千葉からも 座禅や精進料理、写経を体験

俗界から鳥居をくぐると、そこは神仏混淆の日本遺産の霊場・三徳山
三徳山の宿坊として知られる皆成院

 未来ウオーク(6月7、8日)開幕を前に、「三徳山せっかくウオーク~心のウオーキング・お坊さん体験ツアー」が6日、東伯郡三朝町の三徳山皆成院(清水成眞住職)で行われ、県内外から参加の19人が精進料理を味わい、座禅や写経を体験しました。

 「せっかくウオーク」は、「せっかく未来ウオークで鳥取に来たのだから、日本遺産に選ばれている修験道の霊場・三徳山で、ここだけしか味わえない体験を」というコンセプトで始まりました。毎年好評で、募集開始とともにすぐ定員に達する人気です。

三朝町議会議長も務めた清水住職のユーモアあふれる法話も魅力の一つ

 今年は山陰・山陽や近畿のほか、遠く新潟や関東、愛知など県外組が参加者の半分以上を占めました。まずは精進料理を体験。同院の清水住職は「食事も修行のうち。生きるために他の命をいただいていることに感謝し、おコメの一粒も無駄にしないように」と全員で合掌して食事を開始、住職が朝早く手作りしたという胡麻とうふ、さしみコンニャクや山菜の天ぷら、酢の物など、三徳山の山の幸が並んだ精進料理に味わいました。

三徳の山の幸が凝縮された皆成院の精進料理
合掌し、「幸いにもこの食に受けることができた幸せに感謝」
味わいながら黙々と食べるのも修行のうち

 出雲市から友人と共に参加した60代の女性は「お寺で精進料理を味わうのは初めて。ローカロリーなのにとてもおいしい。都合で未来ウオーク自体は歩けませんが、来年も参加したい」と笑顔で話していました。

 精進料理の後は、座禅体験。「人間に平等に与えられながら、一方で限られたものが人生の時間です。始まりがあれば必ず終わりがあるので、無駄にせず、味わいながら生きることが大切」と清水住職はまず心構えを語り、「座禅は呼吸法を学ぶこと。私たちが無意識にしている呼吸に意識を集中し、息を吸う時は清らかなものを自分の中に取り込むつもりで、逆に吐く時は自分の中のどろどろしたものを吐き出すつもりで」と座禅との向き合い方を解説。参加者らは姿勢を正し、ゆっくり呼吸を整えながら瞑想の世界に入っていました。

座禅に向かう前に、その意味や心構えをしっかり学ぶ