
昭和60年に旧国鉄倉吉線(倉吉・上井―関金・山守間)が赤字ローカル線として惜しまれながら廃線となって40年。それを記念した「廃線跡まつり」が18日、倉吉市関金町の都市交流センターで始まりました。設立20周年を迎えた地元のNPO養生の郷と倉吉市、倉吉観光MICE協会の共催。

初日は基調講演として、将来、倉吉線とつなぎ陰陽を結ぶ計画で起工式(昭和49年)まで行われながら倉吉線が廃線となり、結局「幻の鉄道」となった岡山県北の南勝線(勝山―関金・山守間)を調査した井伊哲也さんが、同線の概要と歴史を解説。さらに総務省地域力創造アドバイザーでトンネルツーリズムプランナーの花田欣也さんが「全国の廃線跡の活用事例」について説明しました。

続いて井伊さん、花田さんに倉吉市や岡山県真庭市の関係者が加わり、「廃線(未成線)と観光~廃線跡は地域を救う?!」と題したパネルディスカッションが行われました。
真庭市で観光や地域活性化に取り組む「MANIWABAUM」の地域おこし協力隊員、石橋整さんは「岡山県北と鳥取県は、温泉、古い町並みなど共通項がある。今後は両地域の広域連携による観光も」と語り、同まつりでは鳥取の「倉吉線弁当」と岡山の「南勝線弁当」の〝弁当対決〟のアイデアが実現しました。

関金温泉振興組合の組合長を務める認定NPO法人未来の岸田寛昭理事長は「旅館街の消えた関金温泉を、未来ウオーク(NPO未来主催)など、廃線跡を歩いて健康増進につなげるウオーキングイベントと温泉効果を絡めた〝ウエルネスリゾート〟でよみがえらせるのが目標」と語りました。


広田一恭倉吉市長は「情報発信が大切。HPに載せるだけでは人は来ない。地元に宿泊施設の『星取テラスせきがね』(旧国民宿舎グリーンスコーレせきがね)もできた。日本一美しい廃線跡、温泉、そして美しい星空など、関金の魅力をPRしていきたい」と意気込みを語りました。

NPO養生の郷の増田英之理事長は「現在、打吹駅の跡地に設置されているC11蒸気機関車を関金の線路跡に置けないだろうか。若桜鉄道もそうだが、SLは大きな魅力」と提案しました。



パネルディスカッションの会場入り口では、石橋さんの発案した弁当対決、南勝線と倉吉線の両弁当のほか、寺の御朱印ならぬ「廃線印」、「日本一美しい廃線跡きんつば」などが販売され、鉄道ファンでにぎわっていました。
廃線跡まつり最終日は19日、廃線跡のウオーキング(事前申し込み制)や泰久寺駅跡でのミニSL乗車、山守トンネルのライトアップ入場などの催しが行われます。


















