倉吉市出身の「昭和の名横綱」先代・琴櫻(元佐渡ヶ嶽親方)の18回忌をしのぶ行事が倉吉市魚町の琴櫻記念館で行われています。15日まで。
琴櫻傑將(ことざくら・まさかつ)、本名・鎌谷紀雄(かまたに・のりお)さんは1940(昭和15)年、東伯郡倉吉町(当時)に警察官の子として生まれ、成徳小、倉吉東中から倉吉農高に進学。全国にテレビ中継された柔道大会で彼の勇姿を見た当時の佐渡ヶ嶽親方が才能にほれ込み、角界に入門しました。
四股名の「琴櫻」は、親方の現役名「琴錦」と故郷・倉吉市の打吹公園の「桜」にちなんで命名。32歳で横綱昇進は当時「遅咲きの桜」と言われましたが、一方で「けいこの鬼」として知られ、佐渡ヶ嶽部屋の親方を引き継いでからは同部屋を角界最大の部屋に育て上げました。
その血統は今も生きています。横綱の孫に当たる鎌谷将且(かまたに・まさかつ)さんは、名門・埼玉栄高から各界入り。琴鎌谷から父親(現佐渡ヶ嶽親方)の名を継ぐ琴ノ若将太(ことのわか・まさひろ)として頭角を現し、今年三月場所で念願の大関昇進。さらに五月場所から琴櫻将傑(このざくら・まさかつ)を襲名しました。琴櫻の名前が復活するのは、祖父が引退した1974(昭和49)年の名古屋場所以来、50年ぶりです。
令和2年には、佐渡ヶ嶽部屋を応援している倉吉市の「鳥取県桜友会」が寄付を集め、「打吹山と桜」を描いた化粧まわしを贈っています。また「令和の怪物」伯桜鵬関(伊勢ケ濱部屋、本名・落合哲也)の出身地でもあり、〝相撲のまち倉吉〟として大いに盛り上がっています。
琴櫻記念館での焼香は15日まで、だれでも自由にできます。