「昭和の名横綱・琴櫻」の19回忌 倉吉市の琴櫻記念館で15日まで 「土俵の鬼」の系譜、脈々と

倉吉市出身の昭和の名横綱琴櫻(元佐渡ヶ嶽親方)の19回忌をしのぶ行事が、きょう13日から鳥取県倉吉市魚町の「第五十三代横綱琴櫻記念館」で行われています。15日まで。入場無料。

琴櫻記念館に設けられた19回忌の焼香台
倉吉市魚町にある琴櫻記念館(入場無料)

琴櫻傑將(ことざくら・まさかつ)、本名・鎌谷紀雄(かまたに・のりお)さんは1940(昭和15)年、東伯郡倉吉町(当時)に警察官の子として生まれ、成徳小、倉吉東中から倉吉農高に進学。全国にテレビ中継された柔道大会で彼の勇姿を見た当時の佐渡ヶ嶽親方が才能にほれ込み、角界に入門しました。

「土俵の鬼」と呼ばれた横綱

「猛牛」「土俵の鬼」と呼ばれた昭和の名横綱・琴櫻ですが…
「気は優しくて力持ち」ふだんは優しい笑顔

四股名の「琴櫻」は、親方の現役名「琴錦」と故郷・倉吉市の打吹公園の「桜」にちなんで命名。32歳で横綱昇進は当時「遅咲きの桜」と言われましたが、一方で「けいこの鬼」として知られ、佐渡ヶ嶽部屋の親方を引き継いでからは同部屋を角界最大の部屋に育て上げました。

半世紀ぶり「琴櫻」復活

その血筋は現代も生きています。横綱の孫に当たる鎌谷将且(かまたに・まさかつ)さんは、名門・埼玉栄高から各界入り。琴鎌谷から父親(現佐渡ヶ嶽親方)の名を継ぐ琴ノ若将太(ことのわか・まさひろ)として頭角を現し、昨年の三月場所で念願の大関昇進。さらに五月場所から琴櫻将傑(このざくら・まさかつ)を襲名しました。「琴櫻」の名前が復活するのは、祖父が引退した1974(昭和49)年の名古屋場所以来、50年ぶり。

初優勝で喜びに沸く倉吉市のパブリック・ビューイング会場

「心の中に〝鬼〟を宿せ」

 昨年11月の九州場所では、豊昇龍を大関同士では21年ぶりとなる「相星対決」で下し、念願の初優勝。倉吉市内のパブリック・ビューイングの会場は「バンザイ」の歓声に沸きました。

ふだんは柔和な顔の大関琴桜も…
すっかり有名になった「大魔神」の変身(NHKテレビから)

令和2年には、倉吉市で佐渡ヶ嶽部屋を応援している「鳥取県桜友会」が寄付を集め、「打吹山と桜」を描いた化粧まわしを贈りました。ふだんは柔和な大関琴櫻の顔が、仕切りの際に「大魔神」のように鬼の形相に変わるのは、子ども時代に祖父から言われた「心の中に鬼を宿せ」という言葉を守っているからだそうです。祖父に続く横綱昇進に向けて、「令和の土俵の鬼」の再来が期待されます。

横綱の母校・倉吉市立成徳小(現打吹小)前に建つ琴櫻像は「相撲のまち倉吉」のシンボル

 先代の佐渡ヶ嶽親方が遺した子供相撲大会「桜ずもう」からは、令和の怪物・伯桜鵬(伊勢ケ浜部屋)も生まれ、「相撲のまち倉吉」は健在です。観光名所の白壁土蔵群・赤瓦近くにある琴櫻記念館での焼香は15日まで、だれでも自由にできます。