倉吉よいトコ、だめなトコ…IJUターン(移住)した人たちがワイワイ語る「くらよしIJUカフェ」 坦庵で開催

「あつまる つながる ひろがる」をキャッチフレーズに、鳥取県や倉吉市に移住=Iターン、Jターン、Uターン=を考えている人や、すでに移住した人たちが「街角のCAFÉ」みたいにワイワイ気軽に語り合うイベント「IJU(イジュウ)カフェ」が、7月19、24の両日、倉吉市内で開かれました。

このうち、同市東仲町に先月誕生したワーケーション・オフィス「さまざま働き処・坦庵(たんあん)」で24日開かれた「くらよしIJUカフェ」では、倉吉にUターンやIターン(県外から移住)した30~50代の参加者4人が「ここがいいんだよ倉吉」「ここが変だよ倉吉」「こうすればもっと良くなるよ倉吉」をテーマに、市内外とオンラインで結んで活発に意見を交わしました。

はじめに、自らも2006年に東京から倉吉にUターン後、地元に企業(倉吉ビール)を設立した主催団体「リアルマック」の福井恒美代表が、「カフェは2010年にスタート、これまでのべ約8千人が参加してきた。結論を出すのでなく、各人が自由な意見を交わすのが目的」と説明。福井代表の司会進行で〝カフェ談義〟が始まりました。

 「ここがいいんだよ倉吉」では、Uターン男性が「白壁土蔵群などの旧市街地は、そこに人々が日々暮らしている本物の良さや魅力がある。それを支える地域活動も活発」と評価。Uターン女性は「人の好さを感じる。倉吉では移住仕立ての人間でも、周りから『それ、やってみたら』と励まされ『プレイヤー』になれる」と指摘しました。一方、県外から倉吉に移住した男性は「どこの町も商品も全国画一化、統一化が進む中、倉吉ならではの生活様式(ライフスタイル)を感じる。文化的素養が高い」と称賛。都会の大学からUターンし、今は市の部長を務める男性は「5万人の規模がちょうどいいのでは。何をやるにもキーマンがすぐ分かり、町全体が見渡せる」と分析しました。

福井代表=左端=の司会進行で活発な意見交換が行われた

続いて「ここが変だよ倉吉」では、「Web連動型音楽配信企画『ひなビタ♪』の架空都市と市が姉妹都市提携をし、それが縁で、医師や薬剤師を含め20人以上の若者が倉吉に移住してくるとは、なんて不思議な町」とサブカルチャーによるまちづくりの面白さを指摘。「活発な自治公民館活動は人口が少ない中で必要に感じるが、(不参加は)罰金があったり、球技大会にも出なくてはならない、といった点は少し変」という意見も。一方、「伝建群(文化庁の伝統的建造物群保存地区)に指定されている旧市街地の20%が更地になっているのに、市民に危機感がないのは変」「確かに、若者を含め毎年500人が減少し続けているのに、生活に満足度がそれなりにあるせいか、危機感が薄い」と心配する声が相次ぎました。

オンラインによる参加者も多数

これに対し、オンラインで参加した成徳地区の出身者で鳥取大学地域学部の多田憲一郎教授は、「私も30年ぶりにふるさとに帰って来て、危機感がないのを一番問題に感じた。このままでは、気付いた時はもう手遅れの『ゆでガエル』になる。市の現状をきちんとデータ化し、情報を市民で共有、将来について市民全体で考える場が必要だと思う」とアドバイスを送りました。

カフェや茶舗の店主、市議会議員、市の部長など仕事も年代もさまざま

最後に「こうすればもっと良くなる倉吉」では、「市民の代表=市議会がもっと活発になって、プレッシャーを与えられる存在にならなければ。しかし市議選、市長選の投票率とも過去最低。市民もきちんと考えるべき」「父親から家業を継いだが、第三者継承に比べて親子継承の支援が乏しいのは意外だった。故郷にUターンして家業を継ぐのはそれなりに大変。9割が親子継承なのに、これでは黒字店や人気店も後継者不足になる」「倉吉市は産後ケアが不十分で、それならば手厚い周辺の町へ、という子育て家庭が出てくる」「若者の就職、高齢者の介護といった目前の課題がある。また、企業も商売をやるには市外に出ていかざるを得ず、産業の空洞化が心配」といった具体的な課題の指摘が相次ぎましたが、「人口減、高齢化の中でも、インバウンドなど観光・交流人口の拡大で補える可能性はある」「倉吉特有の地域コミュニティーの結びつきの強さを生かしたい」とデータや情報を共有しながら、市民と移住者が一体となって議論、行動していく大切さが指摘されました。

「IJUカフェ」は年度内にあと3回ほど開かれる予定です。

 当日のもようはYouTubeで視聴できます↓