10日から始まる大相撲9月場所で郷土ゆかりの力士が明暗を分けました。
鳥取県倉吉市出身で、新入幕の先場所では千秋楽まで優勝を争い、11勝4敗で敢闘賞と技能賞を受賞した伯桜鵬関(本名・落合哲也、宮城野部屋、20歳)は、痛めていた左肩を8月末に手術し、「9月場所は全休、完治を優先したい」と師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)が4日、明らかにしました。

年内復帰は難しいと見られ、複数場所を休めば幕下に転落する可能性がありますが、伯桜鵬は高校時代、反対側の右肩を痛めたものの、卒業後すぐにプロ入りせずに手術してけがを克服した経験があり、「幕内にいることが目標じゃない。自分の夢をかなえるための最善の選択」と宮城野親方に伝えたそうです。

先場所はパブリックビューイングなど地元で大いに盛り上がった「落合関倉吉後援会」(会長・広田一恭市長)も、「再び土俵の勇姿が見られるよう、治療に専念して」と一日も早い快復をふるさとから祈っています。
一方、倉吉市出身の昭和の名横綱・琴櫻(元佐渡ヶ嶽親方)の孫で、先場所は小結で11勝を挙げ、敢闘賞を受賞した琴ノ若関(本名・鎌谷 将且、佐渡ヶ嶽部屋、25歳)は、秋場所の番付で新関脇に昇進。父親の佐渡ヶ嶽親方(元琴ノ若)の最高位に並びました。

大関昇進への足固めを狙う秋場所は、「早く勝ち越して、そこから一つでも積み上げたい。優勝を目指すくらいの気持ちでいかないといけない」(共同通信のインタビュー)と闘志満々。
今年4月、琴櫻ゆかりの桜杯争奪相撲選手権大会(桜ずもう)で倉吉市を訪れた佐渡ヶ嶽親方は「大関昇進を果たし、来年春の桜ずもうには琴櫻を襲名して里帰りさせたい」と力強く語っており、佐渡ヶ嶽部屋を応援する鳥取県桜友会(会長・広田一恭市長)も「襲名が楽しみ。倉吉と結び付きの深いしこ名を全国にとどろかせてほしい」(広田市長)と期待しています。
倉吉市魚町にある「琴櫻記念館」では、さっそく琴ノ若関の新関脇昇進を祝う横幕が貼られました。
