「住宅で寿命は変わる」 木の住まいフェア2023健康住宅セミナー 都立大・星名誉教授が講演

 「長生きできるかどうか、寿命を決めるのは高断熱で省エネの健康住宅」―。10月20日、倉吉市上井の日本海新聞中部本社ホールで「木の住まい2023 健康住宅セミナー」(一般社団法人・鳥取県木造住宅推進協議会中部支部主催、鳥取県、鳥取看護大学後援、認定NPO法人未来オープン例会)が開かれ、東京都立大の星旦二名誉教授がさまざまな医学データを示して住環境と健康・寿命との関りを解説しました。

 はじめに主催者の県木造住宅推進協議会の松本晃一中部支部長(福山建築)が「健康に暮らせるヒントをつかみ、考えていける機会になれば」と挨拶。続いて鳥取県住宅政策課と脱炭素社会推進課の担当者らが「とっとり健康省エネ住宅」(NE~ST)について、「冬季死亡率で鳥取県はワースト16位。温かい住宅普及が急務。国に先んじて鳥取県は取り組んでいきたい」「がまんを強いる省エネでなく、快適に楽しく過ごすのがとっとりエコライフ構想」とそれぞれ県の施策を説明しました。

「高断熱の温かい健康住宅で寿命はもっと延びる」と熱弁を振るう星名誉教授

 星名誉教授は公衆衛生学や健康政策学、予防医学が専門。「寿命を伸ばすのは病院ではなく住宅。それは以前からWHO(世界保健機構)も指摘しているのに、日本は取り組んで来なかった」と指摘。「風呂やトイレの温度差によるヒートショック、じっとコタツに入ったままの生活、カビの発生などの不健康な住環境で、日本では多くの命が失われてきた」と警告し、「鳥取県は国に先んじて補助金を付け、健康長寿の住宅づくりを進めている。皆さんも制度を活用して住環境を改善し、NNK(ネンネンコロリ)ではなくPPK(ピンピンコロリ)の人生を」と呼びかけました。