「おめでとう!琴ノ若」念願の大関昇進 喜びに沸く倉吉市民 祖父の銅像前に祝福の横断幕

日本相撲協会の臨時理事会が31日開かれ、初場所で13勝2敗、技能賞の活躍を見せた関脇琴ノ若(佐渡ヶ嶽部屋)の大関昇進を満場一致で決めました。祖父の横綱琴櫻(先代・佐渡ヶ嶽親方、故人)の出身地・倉吉市では、さっそく琴櫻の銅像前でお祝いの横断幕を掲げるなど、喜びに沸いています。

 琴ノ若は初場所、優勝決定戦で鳥取城北高出身の横綱照ノ富士に敗れ、惜しくも初優勝こそ逃しましたが、13勝を挙げて大関昇進の目安となる「直近3場所合計33勝」を達成。新大関の誕生は昨年名古屋場所後の豊昇龍以来。佐渡ケ嶽部屋からは2011年秋場所後の琴奨菊(現・秀ノ山親方)以来になります。

 千葉県松戸市にある佐渡ヶ嶽部屋でさっそく昇進伝達式が行われ、祖父の琴櫻の遺影が見守る中、「大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちを持って相撲道に精進してまいります」と堂々と口上を述べました。

 注目された祖父のしこ名の襲名は当初、大関昇進とともに名乗る予定でしたが、伝達式後、「師匠(現佐渡ヶ嶽親方)のイメージが強い(琴ノ若の)しこ名を、自分のものにしたかったので、(大関で)一場所だけでも、と師匠と昨日、相談して決めました」と、次の春場所には「大関琴ノ若」で挑む心境を語りました。

 祖父が通った倉吉市立成徳小学校(今年4月から打吹小学校に改称)の前に建つ琴櫻の銅像前では、同市の琴櫻記念館のスタッフや佐渡が嶽部屋を地元で応援する「鳥取県桜友会」(会長・広田一恭倉吉市長)の事務局を務める認定NPO法人未来の岸田寛昭理事長が「祝・琴ノ若おめでとう」と書かれた横断幕を掲げ、祝福しました。

 岸田理事長は「倉吉市では、名誉市民の琴櫻を顕彰する桜相撲(子供相撲大会)が毎年春に開かれており、私もかつて大会実行委員長を務めました。琴ノ若関がまだ小さかった頃、父の親方やお母さんに連れられて桜相撲を観に来ていた姿が懐かしい。ぜひ今度は大関として祖父のふるさとに錦を飾って欲しい」と喜びを語っていました。