■マルシェだより番外編■ ついに登場!倉吉市の老舗和菓子店「お菓子処まんばや」創業明治10年、伝統の味守る銘菓「志ば栗」と羊羹

 今回は、いつもの栗ちゃんに代わって番外編でお送りするマルシェだより。

 皆さん、落語で言えば、これはもう「真打ち」登場です! 創業明治10(1878)年というから、もうすぐ150周年を迎える倉吉の老舗中の老舗、和菓子店「お菓子処 まんばや」(倉吉市明治町、鶴本豊樹代表)が、初めて県特産品ECサイト「鳥取みらいマルシェ」に登場します。

老舗の風格、倉吉銀座商店街にある「お菓子処まんばや」

 実は倉吉市、江戸から明治にかけて全国を席巻した「千歯扱き」「太一車」などの農具をはじめ綿取引などの商工業で大いに栄え、裕福な倉吉の商人たちは競って自分の庭に茶室を設け、取引先の接待も兼ねて「松江をしのぐ大茶会もたびたび催されるほど」(倉吉市史)茶道の盛んだった町。なので、今でも市内には古くから続く茶舗や陶器店、呉服店、履物店など茶道に関わる店が数多く軒を連ねているのです。

 お菓子処まんばやは、まさにそんな倉吉のお茶文化最盛期に創業しました。

 創業から150年近く、伝統の味と製法が守り続けられているのが、栗の形をした焼き菓子の「志ば栗(しばくり)」。菓子に同封されているしおりによると、「茶人のすすめで生まれた銘菓は(控えめな甘さ、後口の良さで)薄茶に良く晩(番)茶に向いていて、左党(お酒好き)にも好まれ、しかも日持ちが良いので土産にも最適」という万能選手。今では倉吉を代表する銘菓になりました。

 お店を訪問しました。「私で5代目になります」と話す店主の鶴本豊樹さん(60歳)は若い頃、都会の老舗和菓子店で修行。倉吉に帰ってからも「志ば栗」をはじめ茶会で食される干菓子や、学校の入学式や卒業式には欠かせない紅白もちなど、日々の倉吉の暮らしに寄り添う和菓子の数々をつくり続けてきました。今回「志ば栗」とともに鳥取みらいマルシェで販売する羊羹も、市民にはおなじみのお茶うけです。

若き日の豊樹さん。5代目として修行の日々

 豊喜さんの横には長男の康人さん(29歳)と長女の恵理子さん(24歳)の姿。老舗の伝統を守る、頼もしい後継者。厨房では県外の和菓子店の修行から帰って来た恵理子さんが、お父さんと一緒に手際よく「志ば栗」をつくっていました。

「6代目」を背負って立つ長男の康人さん

厨房にそろって立つ鶴本さん親子。手際よく「志ば栗」をつくる

その手の早いこと。親子のコンビネーションはぴったりです。

 「お客さんの多くが昔からの常連さんですが、最近は『ひなビタ♪』ファンなど、若いお客さんも訪ねてくれますよ」と豊樹さん。え、「ひなビタ♪」? なんで?

 まんばやのある倉吉銀座商店街は、㈱コナミデジタルエンターテインメントの人気ウエブ音楽サイト「ひなビタ♪」の応援団に商店街を挙げて取り組んでおり、まんばやには主人公たちのガールズバンド「日向美ビタ―スイーツ♪」のライバルとなる双子ユニット「ここなつ」のメンバー、東雲心菜(しののめ・ここな)の巨大パネルやファンの書き込むノートなどが置いてあるのです!

「ひなビタ♪」の東雲心菜ちゃんがお出迎え

 明治創業の老舗なのに、ずいぶん型破りですね。実は豊樹さん、大のビートルズ・ファンで、彼らのレコード・コレクションをはじめ、地元で活動するコピーバンド「倉吉ビートルズ」の熱烈なサポーター。自分でもギターを弾いています。「古きをたずねて、新しきを知る」。そんな進取の気風に富んだ老舗だから、後継者も育つのでしょう。

 みなさんも、100年の伝統の味を20代の若者たちが守り育てる「お菓子処まんばや」の銘菓「志ば栗」と羊羹を一度味わってみてください。

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