【受け継がれる梅津酒造の純米酒~冨玲は日本酒を超えるお酒】

ようやく少しずつ春めいてきましたね。そんな中、私は梅津酒造さんへ行ってきました

ご存知鳥取県の北栄町にある梅津酒造さんは日本酒を造り酒屋。

いやもう、私もう、酔っ払いました。はい!お酒も飲まずに、この純米酒「冨玲」に酔いしれてしまったのです。最高によい気分になってしまいましたぁ。

今回お話を聞いたのは、梅津酒造の代表取締役の梅津史雅氏。まだお若いですけども、創業は慶応元年156年の歴史を持つ造り酒屋の6代目。スタッフ4名で日本酒を生産されています。

こちらでは、生産されている日本酒のいち推しは「冨玲」です。年間生産量は、一升瓶で換算すると1万本分生産されているということです。この「冨玲」まずはネーミングがおもしろいですよね。これフレイと読みますが、この名づけは、三代目の蔵元がアメリカ留学していたときに聞いた言葉の「フレー」がもとで「冨玲」と名付けられたそうです。このフレーの掛け声は早稲田大学の応援団が日本で最初に使ったということです。フレーは実は英語だったのです。(旗を振れの意味ではなく、運動で歓喜や賞賛,激励を表す叫び声。)

純米酒「冨玲」

この「冨玲」は日本酒ではなく、純米酒ですとおっしゃる。そこから、この純米酒の話しに花が咲きました。今、日本酒と呼ばれるものには、米と米麹、水から作られるものと、米と米麹、水にさらに醸造用アルコールが含まれる2種類があるということです。蔵元いわく、「うちは純米酒です」と。

「冨玲」と言う純米酒の特徴はたっぷりとした甘みがあり、麹の味がするそうです。穀物感があるお酒で口当たりは辛口というより、うまくちになるそうです。特にお燗にすると味が膨らみさらにうまみが味わえるとのこと。

さらに、料理に合うしっかりとしたお酒なので、焼き魚、焼肉、スパイスの効いた料理に、ものすごく合うということです。料理の味を引き立て、さらにお酒の味を崩さない純米酒。このお酒を飲食店で提供したところ、お酒も進むし料理もおいしく食べられるのでお酒の売り上げも、料理の売り上げもどちらもアップするという相乗効果を生み出すお酒だそうです。

「だったらやっぱりコレは料理と一緒に食べる方がいいのですか」と聞くと、いやいやこれだけで飲んでいただくこともおいしく飲んでいただくことができるということで、ロックやスパークリングワインのように炭酸で割っても美味し飲めるそうです。

もうひとつ、私知らなかったのですが、この純米酒は日本酒独特の臭みがない。これは、純米酒には添加物(醸造用アルコール)が使われていないからで、日本酒を飲むと臭いとか、悪酔いする、二日酔いするということがない。

そして、日本酒というのは一度封を開けたら、味が変わってしまうから早く飲んでしまわなければいけないですよねと言うと、いやいやそれが全然違うらしいのです。梅津酒造で作られている純米酒は、封を開けて数日たってからも飲んでいただける。いや、それを楽しんでいただきたいお酒とのこと。

梅津酒造で醸造されているお酒の数々

日本酒って生が抜けるでしょと言うと、この純米酒は数日経ってからもおいしいと。つまり、温度で熟成されるということなのです。驚きです。いままで思っていた日本酒の概念がつぎつぎと覆されていくのでした。純米酒はまわりの環境(温度)によって味がかわるということで、日がたつとまた味がかわりそれぞれの味わいを楽しむことができるということです。

冷蔵庫に入れずにそのまま常温で保存したほうが、温度で味が変化するので常温保存がお勧めとのこと。まるでウイスキーのようです。古ければ古いほうがいい。すっごいじゃん!!と私はお聞きしながら思ってしまった。

最近はワインのような日本酒を目指して造られている蔵元もあるようですが、梅津酒造のお酒はワインに劣らない純米酒なのです。

梅津酒造蔵元

最後に、お酒造りに対してみなさんに伝えたい一言はありませんか?とお聞きすると

「梅津酒造のお酒に出逢って良かった」と言われるような

「人や地域の一生を豊かにするお酒」を造り続けます。とおっしゃいました。

ほんとうに素敵です。お酒も、このメッセージも素晴らしいです。つい、日本人ならこのお酒をいっぺん、飲んでみなさいなと言いたくなります。飲んで間違いはないと。

P.S いつも素晴らしいモノやヒトを取材させていただいております。その作り手の心意気のような、商品につづくこだわりを毎回に感じているのですが、今日は酒に酔いしれてしまっただけではなく、商品が素晴らしすぎて、この取材文章が負けてしまいました。