元AKB48メンバーで倉吉市出身の中野郁海さん(23)が初主演した映画『親子劇場』の鑑賞会が17日、同市山根のシネマエポックで開かれました。生まれつき耳の聞こえない子どもを持った苦悩と葛藤、そして子どもと共に成長していく母親を演じた中野さんに、会場からは大きな拍手が送られました。
NPO法人未来の10月例会として開かれ、約40人が参加しました。
上映に先立って中野さんの父で同NPO会員でもある中野雅斗さんがあいさつし、「高城小学校で学んだ手話が縁で役をいただけたことに感謝しています」と述べました。
映画は女性ボーカルグループ「SPEED」のメンバーで参院議員の今井絵理子さんのエッセーが原作。生まれた子どもが耳が聞こえないことが判明して悩み、苦しむ母親が子育ての中から喜びを見出し、子どもと共に乗り越えていく姿が描かれました。
息子の礼夢(らいむ)くん役を実際に耳の聞こえない子どもが務めるなど、映画には耳の聞こえない人たちが数多く出演し、作中では手話が多く取り入れられています。効果音や音楽が極力排され、全編にわたって字幕が付けられて、耳の聞こえない人も聞こえる人も楽しむことができる作品です。
AKB48卒業後は舞台を中心に活動している中野さん。母親の真由美さんは「映画を見るのはこの日で3回目ですが、ようやくあら捜しせずに普通に見ることができました。(女優としては)まだまだ足らないことばかりですが、たくさんの人に見てもらい感謝しています」と話していました。
映画『親子劇場』の同劇場での先行上映は19日までですが、来年には全国で上映されます。