大相撲九州場所は24日、千秋楽を迎え、結びの一番で琴櫻と豊昇龍がともに13勝1敗、大関同士では21年ぶりとなる「相星対決」で激突。激しい力のぶつかり合いとなりましたが、今場所は下半身の安定が際立つ琴櫻が豊昇龍をはたき込みで下し、大関として念願だった初の賜杯を手にしました。
祖父で先代の横綱・琴櫻(元佐渡ヶ嶽親方)のふるさと鳥取県倉吉市では、夕方から同市明治町の打吹回廊チュウブ・コミュニティホールにパブリック・ビューイングが設けられ、佐渡ヶ嶽部屋一門を応援する鳥取県桜友会(会長・広田一恭倉吉市長)の会員や市民ら50人が「がんばれ琴櫻」のパネルを手に固唾をのんで大一番を見守りました。
初優勝が決まった瞬間、どよめきと歓声が沸き起こり、やがて会場は「バンザイ」の嵐。子ども時代からの琴櫻を知る桜友会の竹尾征二事務局長は「この日を待っていた。小さい頃から『おじいちゃんみたいになりたい』と話していたのを思い出す。いよいよ綱取り。倉吉市民を挙げて応援していきたい」と涙ぐみながら喜びを語っていました。また観戦した倉吉商工会議所の河越行夫会頭は「勝ってくれると信じていた。倉吉に大きな元気がもらえた」と顔を紅潮させていました。
「琴櫻」のしこ名の優勝は昭和48(1973)年以来、51年ぶり。大関になって5場所目の優勝は先代の琴櫻とくしくも同じで、「昭和の名横綱」だった祖父に導かれるように「令和の横綱」への道を確実に歩んでいます。