全国の焼き鳥の名店が集う「やきとりJAPANフェスティバル」の地元開催を検討するため、倉吉市の関係者が8月25、26の両日、山口県長門市を視察しました。長門市や実行委員会の関係者から話を聞くとともにイベントの準備や開催状況などを視察し、その結果を基に2年後の倉吉での開催の可能性を探ります。
焼き鳥を通じて地域間交流を図り、和食としての焼き鳥文化を向上させようと、2007年から「全国やきとリンピック」として開かれ、これまでに福島市や北海道室蘭市、埼玉県東松山市などが開催地になっています。
長門市では過去3回開かれており、別イベントとの同時開催で約9万人、単独開催としては最大約6万5千人を集めたこともあるということです。「やきとりJAPANフェスティバル」に衣替えして初めての開催となった今回は26、27の両日、長門市の仙崎漁港周辺の会場に全国17の焼き鳥の名店が集結して開かれました。
倉吉での開催構想は同市上井町1丁目の焼き鳥店「ひょうたん」店主の上嵜健二さんが長年温めていました。上嵜さんに共鳴した倉吉異業種交流プラザ(田村閑美会長)などが実現の可能性を探ろうと視察を計画し、倉吉商工会議所や倉吉市、JA鳥取中央、倉吉観光MICE協会などの関係者が計11人が参加したほか、趣旨に賛同した銀杏泰利県議ら公明党所属の県議3人も加わりました。
視察団は25日、最初に長門市役所でイベントの中核となっている田村大治郎同市議、同市経済観光部の吉村博克次長らから説明を受けました。漁業のまちである同市で焼き鳥イベントを開くようになったきっかけや具体的取り組み、全国規模のイベントを開催するためのノウハウなども話していただき、視察団からは多くの質問も寄せられました。
26日のイベント本番では午前10時の開会前から多くの市民や観光客が詰めかけ、真夏のような日差しの下にもかかわらず順番待ちの長い行列ができていました。販売開始と同時に各お店でさまざまな焼き鳥を買い求めると、会場に用意されたテーブル席で舌鼓を打っていました。
視察団も25日夜にはテレビ番組『マツコの知らない世界』で紹介された同市内の名店で、長門やきとり横丁連絡協議会会長を務める青村雅子さんが経営する「焼とりや ちくぜん総本店」を訪れて長門の焼き鳥を味わったほか、26日には会場で全国の名店の味を堪能しました。
倉吉開催に向けては実施主体や経費、会場、日程など解決すべき多くの課題が残されていますが、視察に加わった人たちからは「視察した状況を倉吉に置き換えて考えてみたい」「誰がどうすれば実現できるのか早急に考えたい」などの声が聞かれ、田村会長は「実現に向けてはこれからが大変だが、一つずつ積み上げて実りある2年後にしたい」と決意を語っていました。