文化人・財界人が茶会で交流 往時の繫栄しのばせる「環翠園」の魅力実感 

NPO未来8月例会 小川氏庭園見学、石亀氏が講演

根鈴館長=右=の案内で園内を見学する参加者ら

 認定NPO法人未来(岸田寛昭理事長)の8月例会が8月27日に開かれ、倉吉市内の旧家に築かれた庭園で、往時の倉吉の繁栄ぶりをしのばせる小川氏庭園「環翠園」(同市河原町)を見学。その後、会場を市内の日本料理「飛鳥」に移し、同法人理事で日本庭園協会鳥取県支部長の石亀靖さんの講演を聴きながら、伝統的な日本庭園の魅力を再認識しました。

かつて多くの文化人・財界人が茶会を楽しんだ環翠園

 環翠園は、明治から昭和にかけて実業家・政治家として活躍した小川氏6代目の貞一(1882―1943年)が築いた日本庭園で、神戸の庭師・巽武之助が手がけました。一時荒廃していましたが、鳥取県の名勝の指定を受けて再整備が進められ、園内の茶亭「南山荘」と共に2021年から一般公開されています。

 見学会は小川家第9代当主の斎藤信子さんの協力で開かれました。往時には多くの文化人・財界人が招かれて茶会などが催され、倉吉の文化の発信地となった庭園では、小川記念館財団の根鈴智津子館長の案内で参加者が庭を見て回り、背後に見える「水道山」が借景になっていること、庭の池に亀や鶴をあしらっていることなど、訪れる人を楽しませる工夫が随所に施されていることを学びました。

 日本庭園の魅力について講演する石亀氏=中央=

 見学後、会場を明治39年築の町家を改装した風情ある日本料理「飛鳥」(同市魚町)に移して座学が行われ、石亀さんが自らの庭師としての歩みを紹介しながら「倉吉市内には小川氏庭園以外にも見ておきたい魅力的な日本庭園があります」と話し、参加者らは熱心に耳を傾けていました。

 その後懇親会も行われ、参加者は日本庭園の魅力について話に花を咲かせていました。