山守集学校に行ってきました！～廃校舎が「ITと人々の交流拠点」に～

今年６月に旧山守小学校（倉吉市関金町堀）の廃校舎にオープンした「山守集学校」。東京でIT 機器リユース事業を展開しているリングロー株式会社という企業が運営していますが、「何をしている施設なの？」「なぜ、集学校って言うの？」という方は多いはず。そこでさっそく、山守集学校に行ってきました！

三角の破風がおしゃれな旧山守小学校校舎、ブランコなどの遊具もそのまま残っています。

スタッフの斎藤るい子さんにうかがいました。現在８人のスタッフが常駐していて、全員、地元や県内出身だそうです。斎藤さんも倉吉市の明倫小学校の卒業生。

齋藤さん「リングローでは５年前から『おかえり集学校プロジェクト』に取り組んでいます。地元自治体の協力を得て、かつて児童や地域の人たちが集った各地の廃校舎を、再び〝IT（情報通信技術）と人々がつながる交流拠点〟として活用しようというプロジェクト。北海道から九州まで全国に12カ所。山守集学校は９番目、山陰地方では初の『開校』です」

最近、廃校舎をホテルやワーケーション施設に改装したり、都会からソフトウエア企業のオフィス誘致が流行っていますが、山守集学校はそれとはちょっと違うような…。

齋藤さん「リングローはパソコンの再生・販売・サポートをしている会社で、実はここ、販売促進拠点なんです」。　えっ！　それは意外。

でも、説明を聞くうちに納得できました。

都会に比べて地方に住む私たちは、パソコンが不調になったり古くなっても、修理したり回収処分してくれる業者や店が近くにありません。地方では、家電店で新しいパソコンを買うだけ。古くなって動きが悪くなり、やがて処分に困る厄介物の運命。

齋藤さん「弊社の碇敏之社長も北海道出身なので、地方の状況を肌で感じていたのだと思います。ITやパソコン、スマホについて地元の人たちが気軽に相談でき、持ち込める『ベースキャンプ』が私たちの施設コンセプトの一つ」

なるほど。私も実は古いパソコンをどうするか、悩んでいました。助かります！　これからの時代、「使い捨てパソコン」なんてもったいない。むしろ、地方の人たちこそ待ち望んでいた施設かも知れません。一方で、夏祭りや地元アーティストによる芸術祭など、さまざまなイベントが集学校で開かれていますね。

屋台が出てにぎわった６月の開校記念イベント。校内では女性たちの「手芸教室」も =リングロー提供=

齋藤さん「地元の多くの方が来られて、にぎわいました。小学校は昔から地域の人々が集い、学んできた場所。ここが再びそんな場所になるお手伝いができれば、というのも集学校の目的の一つです。旧山守小学校にまつわる思い出の品の展示スペースも設けています。ふれあいの中から、私たちの企業理念や仕事を理解していただけたら幸いです」