「日本遺産を歩く!三徳山・三朝温泉ウオーク」に100人「体を癒やし、心を清める」深山の霊場コース

日本遺産を歩く!三徳山・三朝温泉ウオーク

 「日本遺産を歩く!三徳山・三朝温泉ウオーク」(認定NPO法人未来主催、三朝町、三朝温泉観光協会など協力)が30日、三朝町の国宝・三徳山投入堂の遥拝所からふるさと健康むらまで8㌔の「三徳山六根清浄コース」で開かれ、約100人が秋の気配が漂う修験の里・三朝路を歩きました。

 「六根清浄」のコース名は、古来より三徳山への参詣が六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)を清める効果がある、とされていることから命名されました。

 ふるさと健康むらの芝広場で開かれた出発式では、認定NPO法人未来の岸田寛昭理事長と同町の青木大雄地域振興監が「身体を癒やし、心を清めるウオーキングを楽しんで下さい」「歴史のロマンあふれる三朝町にようこそ」と歓迎の挨拶や祝辞を述べました。

 参加者は3グループに分かれて、バスでスタート地点の投入堂遥拝所へ。

 昨年完成した遥拝所では、参加者が順番待ちで望遠鏡をのぞき込み、崖の中腹に「投げ込まれた」ような神秘的なお堂の姿に驚きの声をあげていました。

 投入堂は山岳修験の場・三徳山に1300年前に創建され、急峻な断崖絶壁にあることから、別名「日本一危険な国宝」。850年前には温泉も発見され、参拝前に心身を清める場として三徳山信仰と深くつながっていることから、三徳山・三朝温泉は平成27年度の第1回日本遺産に認定されています。

投入堂の遥拝所で望遠鏡をのぞき込む参加者ら

 深山の霊場から下界の三朝温泉街までのコースは、ずっと下りの道が続き、参加者の中には女性や夫婦連れの高齢者の姿も目立ちました。

木漏れ日の中、快調なペースで歩く女性参加者

 コース途中にそびえる三徳山の大鳥居。参詣道の途中にあり、昔ここから奥が三徳山領だったため「聖」と「俗」を分ける境界線とされています。

霊場と俗界の境界と言われる三徳山の大鳥居をくぐる参加者ら

沿道に咲き乱れる彼岸花(曼殊沙華)の鮮やかな朱色に思わず足を止める

 途中、三朝町片柴の公民館では、地元の三徳地区協議会の女性たちが、秋の味覚の栗おこわや三朝米の新米のおにぎり、みそ汁、地元産の梨「甘太」をサービス。地元の温かいもてなしに参加者もほっと心がほぐれる「癒やしの三朝ウオーク」になりました。

栗おこわや新米おにぎりの他「地元の梨もどうぞ」と温かくもてなされる

心のウオーキング

 また午後からは三徳山の宿坊「皆成院」で「せっかくウオーク『心のウオーキング』」も開かれ、同院の清水成眞住職の「心」の講話を耳を傾け、本場の精進料理を楽しんだほか、座禅や写経に挑み、文字通り心が洗われる体験に浸りました。

住職手作りのごま豆腐や山の幸が並ぶ精進料理を賞味