江戸から明治・大正の建物が並ぶ鳥取県倉吉市の赤瓦・白壁土蔵群に、甘いコーヒーの香りが漂いました。同市で初めて開かれた「第57回ジャパンコーヒーフェスティバル」(3月23、24日・同実行委員会、倉吉観光MICE協会共催)。大阪など県外を含む15の至極のコーヒー店が、「花よりだんご」をテーマに倉吉の銘菓に合わせたコーヒー豆を厳選。香りとコク、味わいを競い合いました。
同フェスティバルは、全国各地それぞれの風土や個性に合わせてテーマを決め、こだわりの珈琲を飲み比べるコーヒーの祭典。花見のシーズンとあって、倉吉での開催テーマに選ばれたのは「花よりだんご」。各地から参加したコーヒー専門店が、倉吉を代表する「打吹だんご」「志ば栗」「はーこさんもなか」の3つの和菓子のテイストに合った珠玉の一杯を淹(い)れ、はるばる駆け付けたコーヒー党たちをうならせていました。
参加するには、「飲み比べチケット」(当日3枚券1800円、追加3枚券1200円)を倉吉白壁土蔵群観光案内所などで購入。最初の一杯は打吹回廊の受付でガチャのくじを引いて「運命のコーヒー」を飲み、あとの2枚は店を自由選択するシステム。
打吹回廊に出店していたのは、大阪本町でカフェを開いているコロンビアコーヒー専門店「CAFÉ TALES」。「PAPIYOという『志ば栗』にマッチしたコーヒーを選択しました」。一杯一杯丁寧にドリップします。
無念無想の表情でコーヒーを淹れるのは、鳥取市用瀬町からやって来た「自家焙煎 燕珈琲」のマスター。「梅の風味に後味はりんご、もなかの香ばしさも伴った不思議なあんこの魅力。多彩な味わいの『はーこさんもなか』に合うコーヒーを作ってみました」
古い商家を改装した「防災センターくら用心」の中にも3店舗。鳥取市内から参加の「KROWTOCOFFEE」は、「打吹だんご」に合うコーヒーとして「滑らかな舌触りとピーチのようなフレーバーのある」南米ホンジュラス産の豆を選んだとか。
フェスティバルは「若者たちが商いを通じて社会の成り立ちを知る」のも目的の一つ。コーヒー専門店に交じって、地元の県立倉吉農業高校の生徒らも自作の畜産加工品を売るショップを出店。ベーコンやハム、鶏の手羽先の燻製などを盛んに来場者に売り込んでいました。
フェスティバルは24日午後4時まで。問い合わせ倉吉市観光マイス協会(倉吉白壁土蔵群観光案内所=同市魚町2568-1、赤瓦10号館内、電話0858-22-1200)へ。