来年3月30日に鳥取県立美術館がオープンする倉吉市で、開館1年前のカウントダウンイベントとして、段ボールでつくった等身大力士たちが対戦する「どんどこ!巨大紙相撲大会~とっとりけんび 場所」が31日開かれ、県内から集まった32チームが「紙相撲の横綱」目指して土俵上で熱戦を繰り広げました。
この巨大紙相撲は高知県を拠点に参加型アートプロジェクトを展開している土谷享さん(KOSUGE1-16代表)が企画。まず県内各地での〝巡業(ワークショップ)〟を行って段ボール力士を制作し、この日、全ての力士たちが「土俵」や「やぐら」まで備えた倉吉未来中心小ホールの〝本場所〟に集結。行司や実況解説付きで、大相撲さながらの「大一番」を展開しました。
倉吉市は、第53代横綱・琴櫻(元佐渡ヶ嶽親方・故人、同市名誉市民)や〝令和の怪物〟伯桜鵬関の出身地。琴櫻の孫で先場所、大関に昇進した琴ノ若関も、町を挙げて応援しています。また横綱・照ノ富士、先場所110年ぶりに新入幕優勝を果たした尊富士は鳥取城北高出身とあって、相撲と鳥取県は切っても切れない関係。昔懐かしい紙相撲にちなんだ参加型のアートイベントと組み合わせることで、「子供から大人まで親しめる県立美術館」を広くPRします。
派手なアクションの行司は倉吉北高相撲部の黄金期を築いた杉村隆文さん
チームの構成メンバーは、3歳の幼児から県内の高齢者施設から参加の90代まで、さまざま。「はっけよい」の行司のかけ声とともに相手の力士を少しでも早く外に出そうと懸命に土俵をたたき、観客席から大きな声援や拍手が贈られていました。
優勝したのは、地元・うつぶき部屋の「おっぱい山」。琴浦町の婦人会が制作したもので、表彰式では巨大な「紙の優勝カップ」を手にして満面に笑みを浮かべていました。