「未来のあゆみ」~認定NPO法人化を記念して 下編

NPO法人未来(岸田寛昭理事長)はこのほど「認定NPO法人」として承認されることが決まりました。同認定は、地元自治体から事業活動が高い公益性を持っていると認められたNPOが、活動をより幅広く、また市民や企業の寄付による事業支援が受けやすくなるよう税制上の措置が施されるもの。今回の承認を記念して20余年にわたるNPO法人未来の「あゆみ」をまとめてみました。

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ウオーキング立県を目指す ~「歩かない県」の逆転の発想

 こうしてウオーキングで有名になったものの、実は昔から鳥取県は男女そろって「歩かない県民ランキング」で上位の常連なのでした。公共交通機関が少なく、どこに行くにも車が必要な暮らしが原因で、高齢者になっても元気で暮らせる「健康寿命」には危険な状況。医療・介護費もひっ迫します。この流れを変えようと、2009年6月に平井伸治鳥取県知事や大韓ウオーキング連盟のイ理事長、日本ウオーキング協会の村山友宏元会長らが出席し、倉吉市内で記念フォーラム「ウオーキング立県とっとりをめざして」が開かれました。

フォーラムに参加する平井伸治鳥取県知事

その中で、平井知事は県民が毎日2000歩ずつ多く歩くことを推奨、「健康づくりを地域の文化として定着させましょう」と呼びかけ、出席者全員で「ウオーキング立県とっとり」が高らかに宣言されました。歩くことを通じて住民の健康増進を図り、また全国から多くの人たちが集い、交流できる元気で豊かで地域づくりが目標です。さらに席上では、子どもたちの健全な成長を促すための足元からの健康づくりとしての「歩育」の必要性も取り上げられました。

2013年には未来ウオーク発祥の地である倉吉未来中心の広場の一角に、韓国のイ理事長の「自然こそが病院であり、あなたの2本の足がお医者さんです」という言葉を刻んだモニュメントが設置されました。

2020年、コロナ禍が世界中に広がり、アジア各国から多くのウオーキングや医療福祉関係者が出席予定だった同年の「第20回記念未来ウオーク」は残念ながら中止。昨年も県内参加に限定されました。韓国、台湾をはじめ海外との交流も滞ったままです。

SUN-IN未来ウオークで人気コースの旧国鉄倉吉線廃線跡

しかし、平井伸治鳥取県知事は著書「小さくても勝てる『砂丘の国』のポジティブ戦略」の中で、日本一人口の少ない鳥取県だからこそ「アイデア」と「逆転の発想」で大きな実績が挙げられる、と説いています。「ウオーキング立県とっとり」への道のりは、まだ始まったばかり。私たちNPO法人未来は「地域と子どもたちの未来を創造(つくる)」「地球規模で考え、足元(地方)から行動しよう」という活動の原点を大切にし、認定NPO承認を追い風として、さらなる挑戦と努力をこれからも続けていきます。

6月4、5日に全国募集を再開して開かれるSUN—IN未来ウオークで、またお会いしましょう!