来年3月に鳥取県立美術館がオープンする倉吉市で20日、同市の木であるツバキとアートを身近に感じるウオーキングイベントが開かれました。当日は「春分の日」とは思えない、時おりミゾレや台風並みの強風が吹くあいにくの天候でしたが、60人の参加者はアートの展示施設やワークショップまで歩く2コースに分かれて元気よく完歩しました。
出発式では主催者の認定NPO法人未来の岸田寛昭理事長が「びっくりするような天気になりましたが、しっかり雨対策をしてアートを楽しんで下さい」と挨拶しました。
このあと、鳥取県立美術館オープン1年前イベント「どんどこ!巨大紙相撲~とっとりけんび場所」(31日、倉吉未来中心)に向けたアート体験のワークショップを訪ねる「どんどこ!すもうコース」と、今月末に西倉吉工業団地内にオープンする現代アートのギャラリーを見学する「アートとの出逢いコース」の2コースに分かれてスタートしました。
A どんどこ!すもうコース
「どんどこ!すもうコース」では、外観がほぼ完成した県立美術館の前を通り、上灘コミュニティセンターに到着。同センターでは31日開催の「とっとりけんび場所」に出場する巨大な紙の力士たちを制作するワークショップが行われており、大人も子供も一緒になってさまざまな形や色の力士たちを作る様子を楽しく見守りました。
このあと、旧国鉄倉吉線跡を著名な彫刻家の作品が並ぶ散歩道に整備した「緑の彫刻プロムナード」を歩いて、一路ゴールを目指しました。
B アートとの出逢いコース
「アートとの出逢いコース」は、悪天候のためマイクロバスで西倉吉工業団地に向かい、㈱丸十の倉庫を改装した同ギャラリー「アート格納庫M」に到着しました。
同ギャラリーは、創作のため一時倉吉に滞在し、海外でも評価の高い現代アート作家・原口典之さん(1946~2020)の作品を常設展示。廃油などを満たした巨大なプール『Oil and Water』(2003)や、6メートルを超す巨大なH鋼がそびえる『Untitled FCS』など、日常の常識をくつがえす現代アートの迫力に圧倒されていました。
ゴールしました!
ゴールの同市東仲町「クラカフェ」「さまざま働き処坦庵(たんあん)」では、おまちかねの佐渡ヶ嶽部屋直伝の「ちゃんこ鍋」がふるまわれ、身体が冷え切った参加者らはアツアツの塩ちゃんこに舌鼓を打ちました。
参加賞として両コースとも、大関に昇進した琴ノ若の応援タオルや、倉吉博物館で開催中の巨匠がツバキを描いた「匠たちのTSUBAKI・椿・つばき」展の入場券が配られ、参加者らは〝アートと相撲のまち倉吉〟を一日満喫しました。参加者の皆さん、風邪は引かないでね!